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U-Boot の distro boot

昨日(2018年 7月 22日の日記参照)に引き続き、ROCK64 をいじっています。

私も先日知ったばかりで、さほど詳しくありませんが、distro boot はかなり便利です。ROCK64 の SD カードは mmc 1 です(※)ので、SD カードに FAT か ext2 のパーティション(例えば 6番目だとする)を切って mkfs しておいて、

sysboot mmc 1:6 fat 0x500000 /extlinux/extlinux.conf

このようなコマンドを実行すると、extlinux.conf に書いてある設定に従ってカーネルをロードしてくれます。Debian などもこの設定ファイルを使えば起動できて便利です。

アプリの開発者ならば distro boot の方が速いし楽でしょう。カーネルの開発者ならば TFTP ブートの方が嬉しいかもしれません。SD カードを抜き差しせずに済みます。

一応 ROCK64 でカーネルをセルフコンパイルすれば、PC 要らずで自己完結できますし、SD カードの抜き差しも要りません。しかし ROCK64 は、さすがにコンパイルに使うには遅いので、クロスコンパイル+TFTP ブートの方が効率は良さそうです……。

(※)ROCK64 の U-Boot から見ると、SD カードは mmc 1 です。オプションで売っている eMMC ボードが mmc 0 らしいです。私は eMMC ボード持ってないので、詳細はわかりません。

Upstream カーネル

U-Boot の distro boot のお陰で、カーネルの入れ替えはとても楽です。ROCK64 のカーネルを 4.4 から upstream の linux-next に入れ替えてみたところ、本当に入れ替えたのか不安になるくらい、何も問題なく起動しました。Rockchip やるなあ…。

Rockchip は OpenSource プロジェクト Wiki(Wiki へのリンク)があり、ブートローダーから全て OSS で動かせるようです。ブートローダーは隠されていて、ソースコードを見るなんて有り得なかった時代に比べると、隔世の感です。

Rockchip 以外にも AllWinner も Linux への upstream 活動は盛んなようで、upstream カーネルが動く可能性が高そうです。AllWinner のボードは何が良いんでしょうね?お手頃感では NanoPi NEO 2 でしょうか?

Rockchip も AllWinner もシングルボードコンピュータに多く採用されており、性能もなかなかですし、とても安く手に入ります。決して速くないマイコンボードが 1枚何万円もしていた時代に比べると、ありがたい時代になったと思います。

ブートローダーにもチャレンジ

ブートローダーも最新版に入れ替えようと思い、Rockchip Opensource Wiki に乗っていた手順を試しましたが、ちょっと内容が古いのか U-Boot のビルドは通りますが、ATF のビルドはコケてしまいました。

Wiki 曰く SD カードの 0x40 セクタに 2nd ブートローダーを置けば良いらしいですが、U-Boot SPL は廃止されてしまいましたし、ATF はビルドが通らなかったため、肝心のブートローダー(U-Boot SPL もしくは ATF BL31)が作れません。困った。

現状、ブートローダーを変更したい積極的な理由も特にないので、ブートローダーのビルドはまた今度ですね。

[編集者: すずき]
[更新: 2018年 7月 24日 22:34]
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コメント一覧

  • t4 
    > U-Boot SPL は廃止されてしまいましたし...

    廃止されてないけど、どこを見たんでしょう? 
    (2018年07月29日 22:33:03)
  • すずき 
    >t4 さん
    ご指摘ありがとうございます。
    トップディレクトリ下にある spl というディレクトリも、u-boot-spl.bin も生成されないため、廃止されたのかと思いました。 
    (2018年07月30日 15:33:41)
  • t4 
    https://github.com/rockchip-linux/u-boot
    https://github.com/ayufan-rock64/linux-u-boot
    http://git.denx.de/u-boot.git/

    一応 1番上がこのデバイスの本家だけど
    他所は、本家の品質が悪るすぎて Pull-Request を蹴ってるような状況
    どこからGetしたのかな?
    本家のヤツには tpl/spl はそのまま残ってる(品質は別として)

    本家はものは、ビルドが通らないとか、クラッシュするとか、
    真っ当な issue を報告しても無視して即刻 Close とか
    ハッキリ言って Pull-Request を蹴られても当然の酷いレベル
    linux-kernel とか その他諸々も、 総じてそんな感じ。

    そんな理由もあって
    よほどのアドバンテージが無い限り、大概の処は 古いやつを 使ってる
    んでも、彼らはデバイスメーカーしか知らない情報を持ってるからね
     
    (2018年07月31日 10:06:36)
  • すずき 
    > t4 さん
    使っているのは、
    http://git.denx.de/u-boot.git/
    です。

    > 本家はものは、ビルドが通らないとか、クラッシュするとか、
    > 真っ当な issue を報告しても無視して即刻 Close とか
    > ハッキリ言って Pull-Request を蹴られても当然の酷いレベル
    > linux-kernel とか その他諸々も、 総じてそんな感じ。

    なんと、そうなんですか。情報ありがとうございます。


    > そんな理由もあって
    > よほどのアドバンテージが無い限り、大概の処は 古いやつを 使ってる
    > んでも、彼らはデバイスメーカーしか知らない情報を持ってるからね

    デバイスメーカーしか知らない情報で、公開できる範囲の情報を
    Linux や U-Boot の Upstream に公開してくれている、
    と思っていたのですが、そううまくは行っていないということですね。

    Linux はとりあえず
    git://git.kernel.org/pub/scm/linux/kernel/git/next/linux-next.git
    が動作するようなので、ブートローダはそっとしておいて、こちらで遊ぼうかと思っています。
     
    (2018年07月31日 10:36:16)
  • t4 
    誰でも見れる情報として公開されているのはこれぐらい
    http://opensource.rock-chips.com/images/9/97/Rockchip_RK3328TRM_V1.1-Part1-20170321.pdf
    中をみて見てみれば解るけど、この情報で弄れるのはベーシックなI/O程度がせいぜい
    込み入ったI/O usb, ether, gpu, vpu の類は何も無し。

    データシート/アプリケーション・ノートの代わりに、ソース・コードを公開
    って方針なんだろうけど
    まぁ、詳細資料は出したくない ってのは理解できる

    しかし、
    公開のサンプル・コードが上手く動かない場合、リバースしながら尚且つ推測もしなければならない
    リバースは良しとしても、推測には限界があるよね。
    真摯に issue に対応してくれれば、資料非公開でも一向に構わないんだが…

    git.denx.de: 確か昨年蹴られてたね reason: build-error
    issue を報告した人達: オマエの処には2度と報告しない
    Armbianの人: 怒ってた、俺らのポーティング終わる前にぶっ壊れる(新しいヤツが)

    グチっぽくなったけど、
    それでも pi とに比べれば資料は多い方だとは思うな

    ---
    お付き合い、ありがとうございました。
     
    (2018年08月01日 12:26:53)
  • すずき 
    > t4 さん

    > 誰でも見れる情報として公開されているのはこれぐらい
    > http://opensource.rock-chips.com/images/9/97/Rockchip_RK3328TRM_V1.1-Part1-20170321.pdf
    > 中をみて見てみれば解るけど、この情報で弄れるのはベーシックなI/O程度がせいぜい
    > 込み入ったI/O usb, ether, gpu, vpu の類は何も無し。

    私も、ビデオデコーダや映像出力系の仕様を見たかったのですが、
    Rockchip OSS Wiki には、残念ながら載っていないです。

    グラフィクスも Mali Utgard 系ですが、
    ARM は Mali のドライバ(ユーザ空間側)を公開していないので、
    カーネルモジュールだけあっても、どうにもなりません…。


    > データシート/アプリケーション・ノートの代わりに、ソース・コードを公開
    > って方針なんだろうけど
    > まぁ、詳細資料は出したくない ってのは理解できる

    確かに、社内の抵抗は強そうです。


    > しかし、
    > 公開のサンプル・コードが上手く動かない場合、リバースしながら尚且つ推測もしなければならない
    > リバースは良しとしても、推測には限界があるよね。
    > 真摯に issue に対応してくれれば、資料非公開でも一向に構わないんだが…
    >
    > git.denx.de: 確か昨年蹴られてたね reason: build-error
    > issue を報告した人達: オマエの処には2度と報告しない
    > Armbianの人: 怒ってた、俺らのポーティング終わる前にぶっ壊れる(新しいヤツが)

    Rockchip は OSS とのコラボがうまく行っている方だと思っていたのですが、
    実情はなかなか、そううまくは行かないのですね。

    邪推ですが Rockchip 社が OSS 貢献する社員にどれくらい
    好感触を持つか次第で OSS との付き合い方は変わりそうですね。


    > グチっぽくなったけど、
    > それでも pi とに比べれば資料は多い方だとは思うな
    >
    > ---
    > お付き合い、ありがとうございました。

    こちらこそ、貴重な情報ありがとうございました。

    安価なワンボードコンピュータは普及しましたが、
    完全にオープンになった HW はまだ先なのでしょうね。
    いつかどこかが作る(古い SoC を公開するとか、そんな形でも)
    と期待しています。
     
    (2018年08月01日 20:28:39)
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ROCK64

Rockchip RK3328 搭載のシングルボードコンピュータ、ROCK64 4GB 版を買いました。秋月電子で 6,500円くらいでした。メモリの少ない 1GB 版にすると、さらにお安いです。

ROCK64 は SD カードから起動できます。OS イメージは開発元が用意している Etcher を使うと(GitHub からダウンロードできます)ダウンロード+SD カードへの書き込みが簡単にできます。便利です。

しかし手持ちの SD カードが 4GB だったため、Etcher に 8GB のカードを入れろと言われてしまい、OS イメージが書き込めませんでした。

最近は暑すぎて、電器屋に行くのさえ辛いですが、こればかりは行くしかないですね。昼の外出は危険だと思い、夕方にしましたが、それでも暑いです。

汗だくになりつつ 16GB の SD カードを買ってきて Debian を書き込み、起動しましたがシリアルが出ません。何でだ。

ROCK64 の爆速 UART

どうして ROCK64 の UART が表示されないのかなと思ってググってみたら、ボーレートがまさかの 1.5Mbps でしたサポートフォーラムへのリンク)。UART で 1.5Mbps なんてボーレート初めて使いました。

偶然、手持ちの FT232R(USB-UART 変換チップ)が 1.5Mbps に対応していてラッキーでした。一方の HC06(Bluetooth-UART 変換チップ)は 1.5Mbps に対応しておらず、UART を無線化しようと思ってせっかく買いましたが撃沈です…。

シリアルを見ていると、独自ローダー(?)、ATF(ARM Trusted Firmware)、U-Boot の順に動いており、U-Boot は distro boot を使って Linux 4.4.77 をロードしているようです。

リセットから U-Boot 手前までのログ
DDR version 1.06 20170424
In
SRX
LPDDR3
786MHz
Bus Width=32 Col=11 Bank=8 Row=15/15 CS=2 Die Bus-Width=32 Size=4096MB
ddrconfig:7
OUT
Boot1 Release Time: 2017-05-18, version: 2.43
ChipType = 0x11, 187
emmc reinit
emmc reinit
SdmmcInit=2 20
SdmmcInit=0 0
BootCapSize=0
UserCapSize=14832MB
FwPartOffset=2000 , 0
StorageInit ok = 48105
Raw SecureMode = 0
SecureInit read PBA: 0x4
SecureInit read PBA: 0x404
SecureInit read PBA: 0x804
SecureInit read PBA: 0xc04
SecureInit read PBA: 0x1004
SecureInit ret = 0, SecureMode = 0
LoadTrustBL
No find bl30.bin
No find bl32.bin
Load uboot, ReadLba = 2000
Load OK, addr=0x200000, size=0x92d74
RunBL31 0x10000
NOTICE:  BL31: v1.3(debug):f947c7e
NOTICE:  BL31: Built : 09:28:45, May 31 2017
NOTICE:  BL31:Rockchip release version: v1.3
INFO:    ARM GICv2 driver initialized
INFO:    Using opteed sec cpu_context!
INFO:    boot cpu mask: 1
INFO:    plat_rockchip_pmu_init: pd status 0xe
INFO:    BL31: Initializing runtime services
WARNING: No OPTEE provided by BL2 boot loader, Booting device without OPTEE initialization. SMC`s destined for OPTEE will return SMC_UNK
ERROR:   Error initializing runtime service opteed_fast
INFO:    BL31: Preparing for EL3 exit to normal world
INFO:    Entry point address = 0x200000
INFO:    SPSR = 0x3c9
U-Boot の起動ログ
U-Boot 2017.09-g5aef9f7 (Oct 12 2017 - 09:11:39 +0000), Build: jenkins-linux-build-rock-64-136

Model: Pine64 Rock64
DRAM: 4 GiB
MMC: rksdmmc@ff500000: 1, rksdmmc@ff520000: 0
*** Warning - bad CRC, using default environment

In: serial@ff130000
Out: serial@ff130000
Err: serial@ff130000
Model: Pine64 Rock64
Net: eth0: ethernet@ff540000
Hit any key to stop autoboot: 0

U-Boot の日付は 2017年で、まだ新し目ですが、Linux はかなり古いですね。後で Upstream カーネルに入れ替えてみましょうか。

[編集者: すずき]
[更新: 2018年 7月 24日 22:30]
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Bluetooth UART 変換

UART を Bluetooth に変換してくれる HC-06(モジュールの販売サイト、仕様書も置いてある)モジュール搭載ボードを買いました。技適マークが無いように見えます、これ日本で使ったらダメな奴かな…?

電源は 5V で、UART は 3.3V です。Arduino とか Raspberry Pi 用の USB - UART 変換ケーブルを使えば、電源から UART まで全ての線が揃っているはずです。Raspberry Pi に繋いでも動きます。

私が購入したボード(HiLetgo 製 ZS-040)の場合、電源を入れると LED が点滅し始めます。この状態で Bluetooth デバイスの検索を行うと HC-06 という名前(変更可)のデバイスが見つかりますので、ペアリングします。PIN は 1234 です(変更可)。

ペアリングすると COM が 2つ増えると思います。なぜ 2つなのか良くわかりません。片方はうんともすんとも言いませんので、使いません。もうひとつのやや接続に時間が掛かる方を使います。

2つの COM のどちらを使うべきかは、LED で見分けることができます。LED が点滅→点灯に変わる方が本物(?)です。まあ、両方繋いでも問題は起きないようなので、面倒なら両方繋いでしまえば良いと思います。

設定の変更

ペアリングを解除した状態(LED が点滅)にすると、HC-06 の設定を変更することができます。シリアルの設定は、ボーレート 9600、8ビット、パリティなしにします。

このデバイスは送った文字をエコーバックしないので、ローカルエコーを強制的に ON にしてください。またキーボードで入力すると、AT コマンド先頭の AT 二文字を打った段階で「OK」が返ってきてしまい、コマンド発行ができません。コマンド全体をメモ帳などに打ち、コピペで貼り付けるとうまくいきます。

メモ帳からコピペはイマイチなので、ライン編集モードを ON にすれば良いだろと思ったら、行の最後に CR が送られてしまうためか、AT+PIN コマンドなどがうまくいかなくなります。

デバイス名、つまり Bluetooth デバイスの検索のときに出てくる名前です。デバイス名を変更するには AT+NAME の後に名前を打ちます。例えば "HC-06-1" に変えたければ AT+NAMEHC-06-1 を送ります。大文字と小文字は区別されます。返事に OKsetname と返ってくれば成功です。

また PIN を変える際は AT+PIN を送ります。例えば 8888 に変えたければ AT+PIN8888 です。返事に OKsetPIN と返ってくれば成功です。

シリアルの設定を変更するコマンドもあります。興味があれば仕様書を見てくださいまし。

[編集者: すずき]
[更新: 2018年 7月 22日 04:22]
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エアコンが臭い

「エアコンの嫌なニオイが完全に消えた」 "窓全開、16度で 1時間つけっぱなし" で本当にニオイが取れる理由 - ねとらぼ を読んで。

こんなの嘘だろ…、と思ってうちの 8年モノ(2010年製)のエアコンにやってみたら、素晴らしい効き目でした。運転開始から冷風がでるまでの、放置した雑巾のような臭いが、完全に消えました。

この効果はいつまで持つのか気になるので、また臭くなった時に備えて、いつ浄化したか思い出せるようにしておきます。

騒音に注意

ちなみにエアコンを 16度で全開運転すると、壊れるんじゃないかと思うくらい、室外機が唸り始めて、非常にうるさいです。

暑いけれど、昼にやった方が良いと思います。夜やると近所迷惑です。

メモ: 技術系の話は Facebook から転記しておくことにした。

[編集者: すずき]
[更新: 2018年 7月 17日 22:53]
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AArch64 向け Linux 開発環境の構築 その 2

その 1その 2

昨日の続きです。AArch64(64 ビット ARM)向けの Linux 開発環境を構築しました。使用するツールは下記の通りです。

  • クロスコンパイラ: crosstool-NG
  • カーネル: linux-next
  • ルートファイルシステム: buildroot
  • エミュレータ: qemu

カーネルのビルドまで終わりましたので、次はルートファイルシステムです。

ルートファイルシステム

ルートファイルシステムの構築には buildroot を使います(Git リポジトリへのリンク)。

buildroot コード取得、セットアップ、ビルド
$ git clone https://git.buildroot.net/buildroot
$ cd buildroot

$ make menuconfig
- Target options  --->
    Target Architecture (i386)  --->
      AArch64 (little endian) に変更する

- Toolchain  --->
    Toolchain type (Buildroot toolchain)  --->
      External toolchain に変更する

    Toolchain (Linaro AArch64 2018.05)  --->
      Custom toolchain に変更する

    () Toolchain path (NEW)
      /home/username/x-tools/aarch64-unknown-linux-gnu に変更する(チルダ ~ は使えないので、注意)

    ($(ARCH)-linux) Toolchain prefix
      aarch64-unknown-linux-gnu に変更する

    External toolchain gcc version (4.3.x)  --->
      8.x に変更する(crosstool-NG の設定と合わせる)

    External toolchain kernel headers series (2.6.x)  --->
      4.16.x に変更する(crosstool-NG の設定と合わせる)

    External toolchain C library (uClibc/uClibc-ng)  --->
      glibc/eglibc に変更する(crosstool-NG の設定と合わせる)

    Toolchain has C++ support? (NEW)
      設定する

- Filesystem images  --->
    cpio the root filesystem (for use as an initial RAM filesystem)
      設定する

$ make
/usr/bin/make -j1 O=/home/katsuhiro/share/projects/oss/buildroot/output HOSTCC="/usr/lib/ccache/gcc" HOSTCXX="/usr/lib/ccache/g++" silentoldconfig
...(snip)...

マシン性能によりますが、ほぼ busybox しかビルドしませんので、カーネルよりは短い時間で終わるはずです。生成されたファイルは output ディレクトリに集められています。output 以下は下記のようになっているはずです。

buildroot 生成物
$ ls output
build  host  images  staging  target

$ ls output/images/
rootfs.cpio  rootfs.tar

ディレクトリには 2つファイルがありますが、cpio フォーマットの方(rootfs.cpio)を使います。

エミュレータ

エミュレータは qemu(Git リポジトリへのリンク)を使います。qemu のビルドは後回しにして、とりあえず今までビルドしてきたカーネル+ルートファイルシステムを実行してみます。

Debian の場合は apt-get install qemu-system でインストール可能です。

qemu 実行
$ qemu-system-aarch64 -machine virt -cpu cortex-a57 -kernel linux-next/arch/arm64/boot/Image -initrd buildroot/output/images/rootfs.cpio -serial stdio
[    0.000000] Booting Linux on physical CPU 0x0000000000 [0x411fd070]
[    0.000000] Linux version 4.18.0-rc4-next-20180713 (katsuhiro@blackbird) (gcc version 8.1.0 (crosstool-NG 1.23.0.418-d590)) #1 SMP PREEMPT Mon Jul 16 14:38:51 JST 2018
[    0.000000] Machine model: linux,dummy-virt
[    0.000000] efi: Getting EFI parameters from FDT:
[    0.000000] efi: UEFI not found.
...(snip)...
[    3.409356] ALSA device list:
[    3.410631]   No soundcards found.
[    3.419281] uart-pl011 9000000.pl011: no DMA platform data
[    3.534574] Freeing unused kernel memory: 1344K
Starting logging: OK
Initializing random number generator... [    5.446846] random: dd: uninitialized urandom read (512 bytes read)
done.
Starting network: OK

Welcome to Buildroot
buildroot login: root

# uname -a
Linux buildroot 4.18.0-rc4-next-20180713 #1 SMP PREEMPT Mon Jul 16 14:38:51 JST 2018 aarch64 GNU/Linux

オプションでハマったのは -cpu cortex-a57 です。省略すると AArch64 に対応していない CPU がデフォルトで選ばれるようで、全く動かないです。明示的に ARMv8 の CPU を指定してください。また -serial stdio を付けないと、シリアルが出力されません。

このとき initramfs を指定し忘れると、起動はしますが下記のようなメッセージを表示して停止します。

Linux が panic で止まる
$ qemu-system-aarch64 -machine virt -cpu cortex-a57 -kernel linux-next/arch/arm64/boot/Image -serial stdio
[    0.000000] Booting Linux on physical CPU 0x0000000000 [0x411fd070]
[    0.000000] Linux version 4.18.0-rc4-next-20180713 (katsuhiro@blackbird) (gcc version 8.1.0 (crosstool-NG 1.23.0.418-d590)) #1 SMP PREEMPT Mon Jul 16 14:38:51 JST 2018
[    0.000000] Machine model: linux,dummy-virt
...(snip)...
[    2.777433] ALSA device list:
[    2.777760]   No soundcards found.
[    2.785662] uart-pl011 9000000.pl011: no DMA platform data
[    2.793530] VFS: Cannot open root device "(null)" or unknown-block(0,0): error -6
[    2.794033] Please append a correct "root=" boot option; here are the available partitions:
[    2.794757] Kernel panic - not syncing: VFS: Unable to mount root fs on unknown-block(0,0)
[    2.796280] CPU: 0 PID: 1 Comm: swapper/0 Not tainted 4.18.0-rc4-next-20180713 #1
[    2.796760] Hardware name: linux,dummy-virt (DT)
[    2.797221] Call trace:
[    2.797472]  dump_backtrace+0x0/0x148
[    2.797837]  show_stack+0x14/0x20
[    2.798087]  dump_stack+0x90/0xb4
[    2.798352]  panic+0x120/0x27c
[    2.798577]  mount_block_root+0x1a0/0x250
[    2.798875]  mount_root+0x11c/0x148
[    2.799126]  prepare_namespace+0x128/0x16c
[    2.799423]  kernel_init_freeable+0x208/0x228
[    2.799732]  kernel_init+0x10/0x100
[    2.800005]  ret_from_fork+0x10/0x18
[    2.800694] Kernel Offset: disabled
[    2.801107] CPU features: 0x21806082
[    2.801400] Memory Limit: none
[    2.802136] ---[ end Kernel panic - not syncing: VFS: Unable to mount root fs on unknown-block(0,0) ]---

このように mount_root で panic する場合は、qemu の -initrd オプションか、指定しているファイルをご確認ください。

[編集者: すずき]
[更新: 2018年 7月 17日 22:46]
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AArch64 向け Linux 開発環境の構築 その 1

その 1その 2

AArch64(64 ビット ARM)向けの Linux 開発環境を構築しました。超有名ツールの組み合わせだし、簡単だろうと思っていたのですが、意外とハマって 1日掛かってしまったのでメモしておきます。使用するツールは下記の通りです。

  • クロスコンパイラ: crosstool-NG
  • カーネル: linux-next
  • ルートファイルシステム: buildroot
  • エミュレータ: qemu

クロスコンパイラ

クロスコンパイラを生成するため crosstool-NG(GitHub へのリンク)を使います。crosstool-NG は ARM 向け以外にもクロスコンパイラやツールチェインの構築が簡単にできて便利です。

私の環境(Debian Testing)だと libtool-bin パッケージがインストールされていなくてハマったので、インストールしておくと良いかもしれません。

crosstool-NG コード取得、セットアップ
$ git clone https://github.com/crosstool-ng/crosstool-ng
$ cd crosstool-ng

$ ./bootstrap
INFO  :: *** Generating package version descriptions
INFO  :: Master packages: android-ndk autoconf automake avr-libc binutils cloog duma elf2flt expat gcc gdb gettext glibc-ports glibc gmp isl libelf libiconv libtool linux ltrace m4 make mingw-w64 mpc mpfr musl ncurses newlib strace uClibc zlib
INFO  :: Generating 'config/versions/android-ndk.in'
INFO  :: Generating 'config/versions/autoconf.in'
...(snip)...
INFO  :: Generating comp_libs.in (menu)
INFO  :: *** Gathering the list of data files to install
INFO  :: *** Running autoreconf
INFO  :: *** Done!

$ ./configure --enable-local
checking for a BSD-compatible install... /usr/bin/install -c
checking whether build environment is sane... yes
checking for a thread-safe mkdir -p... /bin/mkdir -p
...(snip)...
config.status: creating config.h
config.status: config.h is unchanged
config.status: executing depfiles commands

$ make
/usr/bin/make  all-recursive
make[1]: Entering directory '/home/katsuhiro/share/projects/oss/crosstool-ng'
Making all in kconfig
make[2]: Entering directory '/home/katsuhiro/share/projects/oss/crosstool-ng/kconfig'
bison -y -l -b zconf -p zconf  -ozconf.c zconf.y
...(snip)...
/bin/mkdir -p docs && ( /bin/sed -e 's,[@]docdir[@],/usr/local/share/doc/crosstool-ng,g' -e 's,[@]pkgdatadir[@],/usr/local/share/crosstool-ng,g' -e 's,[@]pkglibexecdir[@],/usr/local/libexec/crosstool-ng,g' -e 's,[@]progname[@],'`echo ct-ng | sed 's,x,x,'`',g' | /bin/bash config.status --file=- ) < docs/ct-ng.1.in >docs/ct-ng.1-t && mv -f docs/ct-ng.1-t docs/ct-ng.1
make[2]: Leaving directory '/home/katsuhiro/share/projects/oss/crosstool-ng'
make[1]: Leaving directory '/home/katsuhiro/share/projects/oss/crosstool-ng'

カレントディレクトリに ct-ng という名前のファイルが生成されます。通常はクロスコンパイラをインストールして使いますが、私はインストールしないで欲しい(適宜入れ替えたいから)ので、--enable-local オプションを付けています。

crosstool-NG ビルド
$ ./ct-ng menuconfig
- Target options  --->
    Target Architecture (alpha)  --->
      arm に変更する

    Bitness: (32-bit)  --->
      64-bit に変更する

- Operating System  --->
    Target OS (bare-metal)  --->
      linux に変更する

- C compiler  --->
    C++ (NEW) を選択する

$ ./ct-ng build
[00:34] /

ビルド中は多少メッセージも出ますが、基本的に経過時間と棒がくるくる回るだけです。ログが見たい方は、ct-ng と同じディレクトリにある build.log を tail -f などで表示すると良いでしょう。

マシン性能によりますが、./ct-ng build によるクロスコンパイラのビルドは 1時間くらい掛かると思います。ビルドが終わると、ホームディレクトリに x-tools というディレクトリが作られていると思います。AArch64 用のクロスコンパイラ(gcc 8)をビルドした場合、x-tools 以下は下記のようになっているはずです。

crosstool-NG 生成物
$ cd ~/x-tools

$ ls
aarch64-unknown-linux-gnu

$ ls aarch64-unknown-linux-gnu
aarch64-unknown-linux-gnu  bin  build.log.bz2  include  lib  libexec  share

$ ls aarch64-unknown-linux-gnu/bin
aarch64-unknown-linux-gnu-addr2line     aarch64-unknown-linux-gnu-gcov-dump
aarch64-unknown-linux-gnu-ar            aarch64-unknown-linux-gnu-gcov-tool
aarch64-unknown-linux-gnu-as            aarch64-unknown-linux-gnu-gfortran
aarch64-unknown-linux-gnu-c++           aarch64-unknown-linux-gnu-gprof
aarch64-unknown-linux-gnu-c++filt       aarch64-unknown-linux-gnu-ld
aarch64-unknown-linux-gnu-cc            aarch64-unknown-linux-gnu-ld.bfd
aarch64-unknown-linux-gnu-cpp           aarch64-unknown-linux-gnu-ld.gold
aarch64-unknown-linux-gnu-ct-ng.config  aarch64-unknown-linux-gnu-ldd
aarch64-unknown-linux-gnu-dwp           aarch64-unknown-linux-gnu-nm
aarch64-unknown-linux-gnu-elfedit       aarch64-unknown-linux-gnu-objcopy
aarch64-unknown-linux-gnu-g++           aarch64-unknown-linux-gnu-objdump
aarch64-unknown-linux-gnu-gcc           aarch64-unknown-linux-gnu-populate
aarch64-unknown-linux-gnu-gcc-7.3.0     aarch64-unknown-linux-gnu-ranlib
aarch64-unknown-linux-gnu-gcc-ar        aarch64-unknown-linux-gnu-readelf
aarch64-unknown-linux-gnu-gcc-nm        aarch64-unknown-linux-gnu-size
aarch64-unknown-linux-gnu-gcc-ranlib    aarch64-unknown-linux-gnu-strings
aarch64-unknown-linux-gnu-gcov          aarch64-unknown-linux-gnu-strip

クロスコンパイラは ~/x-tools/aarch64-unknown-linux-gnu/bin 以下にあります。今後、このクロスコンパイラを使います。

カーネル

カーネルは Linux の開発版 linux-next を使います(Git リポジトリへのリンク)。Stable カーネルや LTS カーネルも同じ手順で良いと思いますが、古いカーネルをビルドするときは、crosstool-NG で gcc 7 か gcc 6 を選択したほうが良いかもしれません(ビルド時に警告が出てくると邪魔なので…)。

linux-next コード取得、セットアップ、ビルド
$ git clone git://git.kernel.org/pub/scm/linux/kernel/git/next/linux-next.git
$ cd linux-next

$ export ARCH=arm64
$ export CROSS_COMPILE=~/x-tools/aarch64-unknown-linux-gnu/bin/aarch64-unknown-linux-gnu-

$ make defconfig

$ make all
scripts/kconfig/conf  --syncconfig Kconfig
  WRAP    arch/arm64/include/generated/uapi/asm/ioctl.h
  WRAP    arch/arm64/include/generated/uapi/asm/errno.h
  WRAP    arch/arm64/include/generated/uapi/asm/ioctls.h
...(snip)...
  LD [M]  sound/soc/generic/snd-soc-simple-card-utils.ko
  LD [M]  sound/soc/generic/snd-soc-simple-card.ko
  LD [M]  sound/soc/sh/rcar/snd-soc-rcar.ko

マシン性能によりますが、カーネルのビルドは数十分くらい掛かると思います。AArch64 用のカーネルをビルドした場合、arch/arm64/boot 以下は下記のようになっているはずです。

linux-next 生成物
$ cd arch/arm64/boot

$ ls
Image  Image.gz  Makefile  dts  install.sh

ビルドが終わると、arch/arm64/boot 以下に Image という名前のファイルが作られていると思います。このイメージファイルを後で使います。

[編集者: すずき]
[更新: 2018年 7月 16日 16:05]
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