内閣府の「主要耐久消費財等の普及率」「主要耐久消費財の保有数量の推移」(リンク)によると、2人以上の世帯のPC普及率は77.0%、100世帯辺り123.6台(2020年3月)だそうです。
保有世帯だけを考えれば123.6 / 0.77 / 100 = 1.61 [台/世帯] ですから、世帯人数 <PC台数です。PCを日常的に使う習慣がない限り、共有のPCが1台あれば十分ですし、納得感ある結果です。
では、一般のご家庭にPCは最大で何台置けるでしょうか?
PCの消費電力は様々ですが、夢はでっかく、高性能PCとして、AMD Threadripper 3990X, NVIDIA GeForce RTX 3090のマシンを考えましょう。CPUとグラボのTDPは280 + 350W = 630Wです。他の部品や損失を考えると、PC 1台あたり800W程度と思われます。
一般家庭の我が家の電気契約(40A)ですと、5台程度でブレーカーが飛びます。200V系のコンセントを増設し、200Vで給電すれば電流は半減するので10台くらいは置けるでしょう。30A契約のご家庭も多いでしょうから、「高性能PC 8〜10台」これが一般のご家庭の限界と思われます。
では、色々逸脱した逸般の誤家庭の場合はどうでしょうか?
家庭の電気契約は「従量電灯B」という契約(従量電灯B・C電気料金プラン - 東京電力エナジーパートナー株式会社)がほとんどです。従量電灯Bの最大契約アンペア数は60Aで、全て200Vから取ると最大12kWです。したがって12000 / 800 = 15台が限界です。ふーむ、意外と伸びませんね。
冷却の電力は完全に無視しています。冷却を無視したまま15台も置いたら、家の中は一瞬で灼熱地獄になり、人間もPCも死ぬと思います。
大口需要向けに「従量電灯C」という契約もあります。
従量電灯Cの場合10Aごとに基本料金が従量的に増える青天井の契約になります。一般家庭でも契約可能のようです。基本料金を比較すると、従量電灯B< 従量電灯Cとなるため、一般のご家庭だと損するだけで契約する意味はありません。
本来、家電が大量にある豪邸や、業務用の電気機器がある商店用ですが、60Aに満足できない真の逸般の誤家庭にも向いているかもしれませんね。
群とか環とか体とか、大学で教えてもらった記憶がうっすらありますが、何回見ても忘れます。幸いにもWikipedia先生に割と詳しく解説されているので、まとめておこうと思います。
集合Gと二項演算uの組(G, u)を考えます。uは乗法や加法と呼ばれる場合があるようです。以降u(a, b) をa + bの形で表します。
下にある群は、上の群の性質をすべて満たします(以降も特に断りがなければ同じ)。なので、モノイドは半群の性質を満たしますし、群はモノイドと半群の性質を満たします。
集合Rと2つの二項演算u, tの組(R, u, t) を考えます。(R, u) はアーベル群です。uは加法、tは乗法と呼ばれるようです。以降t(a, b) をa * bの形で表します。
群と違って、環はモノイド(単位元が存在する)である必要はないみたいです。
可換環では零でない零因子という困ったことが起きます。
困る例として挙げられていたのはa * b = 0かつa != 0でもb = 0とは限らない、もしくは、a * b = a * cかつa != 0でも、b = cとは限らない、という例でした。
具体的な例が載ってませんでしたが、行列の和と積を考えると発生しそうに思えます。
A = [1, 1] [0, 0] B = [ 1, 0] [-1, 0] C = [0, -1] [0, 1] A * B = [0, 0] [0, 0] A * C = [0, 0] [0, 0] A != 0だがB, Cは零行列ではない。A * B = A * Cだが、B = Cでもない。
環はこういうパターンが無数に出てきて、さらに条件を厳しくしないと困る場合がありますよ、ということですかね?
変わった名前ですが、環の一種のようです。環で発生する零因子による困った問題を排除しています。
群環体の「体」まで辿り着きたかったのですが、整閉整域、一意分解整域、主イデアル整域、ユークリッド整域、体、有限体、と訳のわからない名前のオンパレードで、力尽きました。また今度調べます。
現在使っているThinkPad E480はUSB Type-C端子とHDMI端子しかありません。先日(2021年2月12日の日記参照)新しく購入したディスプレイ2つに画像を出力するには、USB Type-CのDisplayPort Alternate Mode(VESAの機能紹介のページ(英語))を使う必要があります。接続はこんな感じです。
このときE480とディスプレイを繋ぐUSB Type-Cケーブルは3つの役割を果たします。
たった1本のUSB Type-Cケーブルで3役もこなす凄いヤツです。今まで「ACアダプタ」「DisplayPort」「USB Type-A」の3つに分かれていたコネクタが、USB Type-C 1つに統合できますから、省スペースが命のノートPCにとっては大歓迎の機能でしょう。
そんな凄いヤツを使い始めて数日ですが、既に嫌になってきました。正直な感想として、少なくともユーザーからすると便利と思えないし、使わなくて良いなら使いたくないです。
ケーブルの問題は今後、技術革新で細くなることを祈るしかありません。E480の問題は回避策不明です。HWの制約?USBハブの問題は、E480ならUSB Type-Aコネクタが別にあるので、そちらを使えば回避可能です。USB PDの問題は今の所E480だと困っていません。
しかし将来的にノートPCを買い換えるとUSB PDの問題が起きる可能性があります。回避策はあるでしょうか?USB Type-Cが3つ付いていて、1つはDisplayPort、2つ目はUSB PD電源供給、3つ目はPCに繋ぐ、変なハブ的なものがあれば良い?もはや「ケーブル1本でOK」のコンセプトは完全崩壊だし、ディスプレイ側のUSB PDは死蔵確定です。そんな訳のわからんことになるなら、素直にDisplayPortとUSB Type-Cのコネクタ2個付けてくれよって思います。
そもそもDislayPortとUSB PDなんて全く無関係のものを統合したら、どちらか壊れただけでPCが機能不全になることくらい、聡明なVESAやUSB-IFの面々には明らかなはずですけど、何でこんなデザインにしたんですかね?理解しがたいよ……。
昔SHARP SF1という製品がありました(DIMEの記事)。スーパーファミコンとテレビが1つに合体した、当時小学生だった私には夢のような製品でした。配線なしで見た目スッキリ、場所も取らない、ACアダプタやビデオケーブルを接続する手間も不要、いかにも便利そうじゃないですか?結構お高いのもあって、友達が持っているのを見て羨ましかったです。USB Type-Cも似たような売り文句です。
しかし後から聞くところによれば、テレビが故障するとスーパーファミコンを外せないから他のテレビに繋げなくて困る、逆にスーパーファミコンが故障するとテレビごと修理になって高ぇわテレビがなくなるわで困る、元より不便になっています。元々バラバラの製品を無理やり一蓮托生にしたら、そりゃそうなりますわな……。無関係の機能をデタラメに統合してはいけない、という好例です。
残念なことにUSB Type-CもDisplayPortとUSB PDの機能統合で、似たような落とし穴に落ちています。小学生の私に「21世紀になっても人類はSF1と同じ過ちを繰り返しているよ」って教えてあげたいですね。
COVID-19が流行し始めた昨年2月ころ、在宅勤務が主となりました。当時の気持ちを正直に言えば「すぐ収束して、電車通勤に戻るだろう」で、完全にナメていました。在宅勤務の環境もまったく整えておらず、ダイニングテーブル、ノートPC+8インチのモバイルディスプレイでした。夕食時は邪魔だから、仕事道具をガサガサ片付ける、といった具合です。
そんなこんなで1年間やってきたものの、COVID-19の予想外の長期化、それに加えて会社方針(COVID-19が収束しようとしまいと、今後は在宅勤務)もあって、在宅勤務の環境を改善することにしました。
家には、奥さんが一昨年の在宅勤務で使っていた部屋があって、幅100cmの机と背もたれ付きのオフィスチェアがあります。そのスペースを譲ってもらうことにしました。
すっかり勤務形態が逆転しました。会社のみなさんの話を聞くと、東京の狭い家で夫婦とも在宅勤務、子供まで自粛で家に居て、全く仕事にならん……みたいな地獄化したご家庭もあるみたい。我が家も夫婦同時に在宅勤務だと、スペースの確保がちょっと大変だったと思います。交代で在宅勤務になったのは、今思えば割とラッキーだったのかな?
ダイニングテーブルはしっかりした作りで、間違いなく家で一番上等なテーブルです。一方のダイニングチェアは年中使い続けるような椅子ではなかったらしく、1年間酷使し続けたところ、座面、背面のクッションが潰れ椅子のフレームが腰にガツガツ当たるようになりました。痛ぇよーー。
部屋を移ってスペースが広がったので、大きめのデュアルディスプレイも目指します。幅120cmの机を買い足し100cmの机は横向きに合わせL字にします。
買ったのは山善のAMDT-1260 AMDL-70という一番シンプルな天板と脚だけのテーブルです(Amazonへのリンク)。Amazonで9,000円くらいとお安いです。理由はわからないですが、山善の公式サイトには載っていないんですよね。なぜだろね?
机の幅を考えると27インチx2が載りそうです。ただし、机の奥行きがあまりない(60cm)ので、大きすぎると端が見えなくなって、かえって使いにくいです。という点を勘案して24インチx2にします。
買ったのはEIZO FlexScan EV2480です。Amazonで1台4万円くらい。デュアルディスプレイにしたので、総額8万円くらい掛かりました。非常に高価ですが、これでも中位機種なんです。ちなみに上位機種のEV2495は1台7万円します。強烈!
FlexScanは重たいのが難点(純正スタンドがめちゃ重い)ですが、変な色やら、映らないやらのトラブルは皆無で非常に快適です。以前勤めてた会社(パナソニックやソシオネクスト)でも大変お世話になりました。良いメーカーですよね。
目次: ベンチマーク
先日(2021年2月5日の日記参照)非正規化数(Denormal数)の計算は遅いと書きましたが、いかほどでしょうか?どのくらい遅いのか、デノーマルフラッシュでどの程度速くなるのか、この2点について見ていこうと思います。
おそらく世の中のどのFPUも割り算が一番苦手なはずです。入力を正規化数、非正規化数の2パターン用意して、下記の演算をたくさん実行してみます。
#define SIZE 10000
union uuu {
double f;
long long n;
};
...
void test_speed(union uuu *val)
{
for (int i = 0; i < SIZE; i++) {
dst[i].f =
val[i].f / 1.08f -
val[i].f / 1.07f +
val[i].f / 1.06f -
val[i].f / 1.05f +
val[i].f / 1.04f -
val[i].f / 1.03f +
val[i].f / 1.02f -
val[i].f / 1.01f;
}
}
コードは全部貼り付けると邪魔くさいのでGitHubにおきました(GitHubへのリンク)。前回のFTZ, DAZのテストに使ったコードも一緒に入っています。
まずはx86系のCPUで測ってみましょう。手元にあるのはZen系(AMD Ryzen 7 2700)と、Atom系(Intel Pentium J4205)なので、この2つで測ります。コンパイラはgcc (Debian 10.2.1-6) 10.2.1 20210110、最適化レベルはO2です。
10000 loops Normal ----- FTZ:OFF, DAZ:OFF 0.912859[s] dst : -3.668038e-02(0xbfa2c7c56ca81140) FTZ:OFF, DAZ:ON 0.880695[s] dst : -3.668038e-02(0xbfa2c7c56ca81140) FTZ:ON, DAZ:OFF 0.880633[s] dst : -3.668038e-02(0xbfa2c7c56ca81140) FTZ:ON, DAZ:ON 0.880653[s] dst : -3.668038e-02(0xbfa2c7c56ca81140) Denormal ----- FTZ:OFF, DAZ:OFF 1.806291[s] dst : -4.446591e-323(0x8000000000000009) FTZ:OFF, DAZ:ON 0.783578[s] dst : 0.000000e+00(0x00000000) FTZ:ON, DAZ:OFF 1.513203[s] dst : 0.000000e+00(0x00000000) FTZ:ON, DAZ:ON 0.783183[s] dst : 0.000000e+00(0x00000000)
1000 loops Normal ----- FTZ:OFF, DAZ:OFF 1.024671[s] dst : -3.668038e-02(0xbfa2c7c56ca81140) FTZ:OFF, DAZ:ON 1.025767[s] dst : -3.668038e-02(0xbfa2c7c56ca81140) FTZ:ON, DAZ:OFF 1.025151[s] dst : -3.668038e-02(0xbfa2c7c56ca81140) FTZ:ON, DAZ:ON 1.027414[s] dst : -3.668038e-02(0xbfa2c7c56ca81140) Denormal ----- FTZ:OFF, DAZ:OFF 12.147070[s] dst : -4.446591e-323(0x8000000000000009) FTZ:OFF, DAZ:ON 0.309857[s] dst : 0.000000e+00(0x00000000) FTZ:ON, DAZ:OFF 7.126950[s] dst : 0.000000e+00(0x00000000) FTZ:ON, DAZ:ON 0.312373[s] dst : 0.000000e+00(0x00000000)
Ryzen 7 2700でもPentium J4205でも、Denormal数が計算に出現すると遅くなりますが、J4205はその傾向が顕著で10倍くらい遅いです。FTZ, DAZをONにすると、効果覿面に速くなります。
次にARMで測ってみましょう。手元にあるのはRK3399です。Cortex-A72とCortex-A53が混載されているので、両方で測ります。カーネルはLinux 5.11.0-rc3-next-20210113、コンパイラはgcc (Debian 8.3.0-6) 8.3.0、最適化レベルはO2です。
ARMは仕様上FTZとDAZが分かれていない(FZという両方合わせたような機能がある)ので、片方だけONにした結果はありません。
$ taskset 0x10 ./a.out 10000 ... 10000 loops Normal ----- FTZ:OFF, DAZ:OFF 7.153237[s] dst : -3.668038e-02(0xbfa2c7c56ca81140) FTZ:ON, DAZ:ON 7.118581[s] dst : -3.668038e-02(0xbfa2c7c56ca81140) Denormal ----- FTZ:OFF, DAZ:OFF 8.008282[s] dst : -4.446591e-323(0x8000000000000009) FTZ:ON, DAZ:ON 1.779883[s] dst : 0.000000e+00(0x00000000)
$ taskset 0x1 ./a.out 10000 ... 10000 loops Normal ----- FTZ:OFF, DAZ:OFF 11.693382[s] dst : -3.668038e-02(0xbfa2c7c56ca81140) FTZ:ON, DAZ:ON 11.691307[s] dst : -3.668038e-02(0xbfa2c7c56ca81140) Denormal ----- FTZ:OFF, DAZ:OFF 12.196882[s] dst : -4.446591e-323(0x8000000000000009) FTZ:ON, DAZ:ON 11.697961[s] dst : 0.000000e+00(0x00000000)
Cortex-A72はデノーマルフラッシュの効果抜群ですが、Cortex-A53はデノーマルフラッシュによる変化はほとんどありません。どちらもARMが設計した同世代のCPUにも関わらず、速度の傾向は大きく異なります。詳細な理由はARMにしかわかりませんが、なかなか興味深い結果です。
最近の日本やら先進国やらの迷走を見ていると、民主主義って人口ピラミッドが逆転することを考慮できていないのでは?と疑問を感じます。
人口ピラミッドが逆転して高齢世代が主流派になると、
このような政策が支持されるので、少子化はさらに加速し、先のない高齢世代に最大投資しまくる、まさに今の日本みたいな状態になります。当然ながら経済力は下がる一方ですし、滅亡一直線の国家です。
民主主義のバグとしか思えないですね……。
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