前回の続き(2014年1月6日の日記参照)です。
おさらいすると、Booleanのリストをビット列に見立てて、任意のビット数を上位ビット〜下位ビットにOR演算し、Intのリストとして返すという処理をします。
ビット列 (0, 1, 0, 0, 1, 1, 0, 0, 0) に対して、(1ビット取る, 3ビット取る, 5ビット取る) という処理を行って、結果として (0, 4, 24) が返るイメージです。
(入力1)
List(
true, false, false, true, true, false, true, false,
true, true, true, false, true, false, true, true
)
(入力2)
List(1, 2, 3, 4, 5, 6)
(出力)
List(1, 0, 6, 11, 21)
ビット列に相当するリストが入力1、何ビットずつまとめるか、という別のリストが入力2になります。
前回は特に触れませんでしたが、入力1と入力2の合計が異なるときの扱いについては悩みどころです。余ったリストを返すのが一番親切かもしれませんが、出力が3つになってしまいます…。
今回は、一番楽に(入力1>入力2)なら例外スロー、(入力1<入力2)なら切り捨て、としています。
前回使ったmapでは(入力:出力)の要素数を(1:1)にする必要があります。そのため(n:1)にしたければ、入力はあるが、出力はない「穴が空いた」状態を表現する必要が生じます。
Option型を使って、値はSome(値), 穴はNoneとし、最後にflattenを呼んでNoneを全部捨てましたが、あまり効率的とは思えません。
入出力の要素数が一致していなくても構わないのがfoldLeftです。
object BooleanToInt {
def apply(g: List[Int]): ((List[Int], Boolean) => List[Int]) = {
val o = new BooleanToInt(g)
o.folder
}
}
class BooleanToInt(g: List[Int]) {
private var v = 0
private var p = 0
private var mp = g(0)
private var gg = g.drop(1)
def folder(a: List[Int], b: Boolean): List[Int] = {
v <<= 1
if (b) v |= 1
p += 1
if (p >= mp) {
val result = a :+ v
v = 0
p = 0
mp = gg(0)
gg = gg.drop(1)
result
} else {
a
}
}
}
val a = List(
true, false, true, false,
true, true, false, false,
true, false, false, true,
false, true, true, false
)
val b = List(1, 2, 3, 4, 5, 6)
val c = a.foldLeft(List[Int]())(BooleanToInt(b))
println(c)
コードがScala素人くさいのはさておき、SomeとかNoneが出てこない分、mapより良さそうです。
val c = (List[Int]() /: a)(BooleanToInt(b))
初期値のリストが長いときはfoldLeftを /: で書く手もあります。個人的には右側が被演算子になると読みづらいし、使うことはないですね…。
Scalaの特徴の1つは引数が1つのメソッドを演算子のように呼び出せることです(Rubyも同じですね)。背景には、基本型を廃して「全てオブジェクト」とする、言語の文法から演算子を廃する、という設計哲学があるようです。
しかし演算子の優先順位まで消滅して1 + 2 * 3 = 9になってしまうと(全て左結合させると ((1 + 2) * 3) になる)非常に混乱しますので、コンパイラが特殊なメソッド名だけ結合の優先度を変更します。
class MyInt(v: Int) {
val i = v
def +(a: MyInt): MyInt = {
new MyInt(i + a.i)
}
def *(a: MyInt): MyInt = {
new MyInt(i * a.i)
}
def plus(a: MyInt): MyInt = {
new MyInt(i + a.i)
}
def mult(a: MyInt): MyInt = {
new MyInt(i * a.i)
}
}
val a = new MyInt(1)
val b = new MyInt(2)
val c = new MyInt(3)
val r1 = a + b * c
val r2 = a plus b mult c
println("r1:" + r1.i)
println("r2:" + r2.i)
r1:7 r2:9
演算子もメソッドの一種ではありますが、上記のように旧来の演算子と同名のメソッドはやはり、優先度において特別です。単純に別名のメソッドで置き換えると、結合順序が狂います。
こうまでして文法上から演算子を廃したのはなぜだろう?誰かにメリットがあるはずなのだけど、何が嬉しいのかわからん…。
優先度と言えばScalaは優先度付けのルールがJavaと違います。例えば、Javaはシフト演算が比較より優先ですが、Scalaは優先度が同じです。
(JavaならOK、ScalaではNG) scala> 1 < 1 << 2 <console>:8: error: value << is not a member of Boolean 1 < 1 << 2 ^ (本来やりたいこと) scala> 1 < (1 << 2) res1: Boolean = true
上記の例のように、Scalaで「(1) < (1 << 2)」のつもりで「1 < 1 << 2」と書くと、左から結合されて「(1 < 1) << 2」になって型エラー(※)が起き、ちょっと不思議な気持ちになります。
あえてJavaと違う優先度にしたのはなぜだ…。
(※)1 < 1はBooleanを返し、Booleanクラスは左シフトメソッド << を定義していないため、エラーになる。
ScalaとJavaでシフト演算子の優先度が違うのは、決して嫌がらせではなくて「Scalaの優先度は、メソッド名の先頭の1文字で決まる」ルールから来ているようです。
素人目線だと2文字見れば良かったんじゃ…?と思いますが、そうすると何か大変なことがあったのでしょう。たぶん。
それはさておき、Scalaで中間記法を使ったときの優先度は、低い順から、
(all letters) 注: アルファベットとか
|
^
&
< >
= !
:
+ -
* / %
(all other special characters) 注: ~ とか ? とか
注: Scala言語仕様Version 2.8の6.12.3 Infix Operationsより
となっています。シフト(<<)やビット演算(& |)は、比較演算(== !=)よりも「優先度が低い」はずです。
scala> 1 & 2 == 5 <console>:8: error: overloaded method value & with alternatives: (x: Long)Long <and> (x: Int)Int <and> (x: Char)Int <and> (x: Short)Int <and> (x: Byte)Int cannot be applied to (Boolean) 1 & 2 == 5 ^ (& が優先なら) scala> (1 & 2) == 5 res40: Boolean = false (== が優先なら、こっちが期待値) scala> 1 & (2 == 5) <console>:8: error: overloaded method value & with alternatives: (x: Long)Long <and> (x: Int)Int <and> (x: Char)Int <and> (x: Short)Int <and> (x: Byte)Int cannot be applied to (Boolean) 1 & (2 == 5) ^
ビット演算の方が優先度が低いので、上記の例のように「1 & (2 == false)」と解釈されて、型エラーになります。
scala> 1 < 2 == false res41: Boolean = false (< が優先なら) scala> (1 < 2) == false res42: Boolean = false (== が優先なら、こっちが期待値) scala> 1 < (2 == false) <console>:8: error: overloaded method value < with alternatives: (x: Double)Boolean <and> (x: Float)Boolean <and> (x: Long)Boolean <and> (x: Int)Boolean <and> (x: Char)Boolean <and> (x: Short)Boolean <and> (x: Byte)Boolean cannot be applied to (Boolean) 1 < (2 == false) ^
比較演算の方が優先度が低いので、「1 < (2 == false)」と解釈され、型エラーになるかと思ったら、なりません。意味がわかりません。
言われると嬉しいこと、嫌なことは人によって様々かと思います。
僕は、下に行くほど、やる気が減ります。
内容が提案や批判と似ていても、
「あーあ、わかってないなー。ビシッと俺様が正論でシメてやらんとダメだな!」
的な言い放し無責任感が備わると評論、…というイメージで使ってます。
評論されると、内容はそれなりでも一番やる気が萎えます。なんでかわからんけど。
メモ: 技術系?の話はFacebookから転記しておくことにした。
家のノートPCでSeaMonkeyを使っていると、画像が一部表示されないサイトがあります。
色んなサイトが該当しますが、例えば、らばQだと何の嫌がらせなのか、記事中の画像「だけ」表示されません。その一方で、背景や、らばQのバナーは出ますので、サイトやネットワークの問題ではなさそうです。
またIEやChromeで見ると画像が表示されますので、ファイアウォールなどに遮断されているわけでもなさそうですし、ノートPCとは別のデスクトップPC(Windows 7 64bit版)のSeaMonkeyで見ても画像が表示されますから、SeaMonkey自体の問題でもなさそうです。
SeaMonkeyのProfile Managerを起動(引数に -pを付けて起動する)して、新しくProfileを作ると画像が表示されたので、どうやらノートPCのSeaMonkeyのProfileに原因がありそうです。
新規Profileから設定をやり直すのも面倒くさいし、今まで使っていたProfileを何とかしようとして、キャッシュクリアとか、Cookie全消しとか、色々やってみたものの、一向に改善されません。困りました。
もうProfileがぶっ壊れてもいいや、という覚悟でProfileのディレクトリから適当に「blocklist.xml」ファイルと「adblockplus」「safebrowsing」ディレクトリを消してみたら、見事に復活しました。うーん、わけわからんな…。
節分から1日ずれちゃいましたが、節分の話でも。
北海道では節分に殻つきの落花生を撒きます。「鬼は外ー」は「雪(※)に向かって落花生を投げる」という意味でした。
もちろん店には大豆も(食べる用なのか?)売っていますが、撒くのは必ず落花生です。
しかし、関東、関西でその話をすると、大抵の人に「なんで落花生?大豆じゃないの?」と驚かれます。「うちもそうだよ」って言われたことはない…はず…たぶん。
そういや、なんで大豆or落花生なのだろう。小豆じゃダメなのかねえ??
(※)この時期の北海道はほぼ確実に雪が積もっているから、地面ではなく雪に向かって投げることになります。
パナソニックの半導体事業改革が完了 - EE Times Japanを読んで。
いつもは「絶対、事前にリークしてるでしょ」と思うくらい、ニュースが正確で早い(社内通達よりも)のですが、今回はニュースと社内通達が同時でした。珍しい〜。
推測するに、
辺りですかね。当たっても別に嬉しくないけど。
メモ: 技術系の話はFacebookから転記しておくことにした。
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