コンピュータ将棋の電王戦が非常に話題になっていました。盛り上がりについて行けていませんが、結果だけ聞くとプロと勝負できるまでになったとか、こりゃすごい。
チェッカーは神の一手(全手読み切った上での、最善の一手)がわかるそうですが、チェス、将棋、囲碁は探索範囲が広すぎるのでほぼ不可能でしょう…。神の一手は興味深いですが、わからないからと言ってコンピュータ将棋が弱くなるわけでもなく、今後、コンピュータ将棋はもっと盛り上がることでしょう。
将棋の探索範囲の広さは1局面にざっと80通り(※)指せて、終局まで110〜120手くらい指すので、探索空間は80^120程度です。10のべき乗がお好きなら、
10^x = 80^120の自然対数取って、
x * ln10 = 120 * ln80
x = 120 * ln80 / ln10 = 228.5
となって10の228乗くらい、と見積もれます。調べてみると一般的には10^220と言われているようです。ややズレたのは、なんでだろ…。
(※)歩が9枚(1通り * 9)飛(16通り)角(最も動けて16、動けなくて8なので、間を取って12通り)王(8通り)金(6通り * 2)銀(5通り * 2)桂(2通り * 2)香(最も動けて9、動けなくて0なので、間取って4.5通り * 2)として、1局面80通り、駒を取られても再び置けるため、指せる手の平均値はほぼ変わらない、とした。
コンピュータ囲碁はどうだろう?と調べてみると、2006年にモンテカルロ法(1手ずつデタラメに置いて、勝ちの確率が高い手を探す)を採用した強いソフトが出て、今やアマ有段者並の強さとのこと。こちらもすごいですね…。
モンテカルロ法はリバーシや囲碁などの性質を非常に上手く使っています。リバーシや囲碁は1手指せば1つ空きマスが減るため、メチャクチャに打っても必ず終局にたどり着ける、という性質があります。これを上手く利用して、メチャクチャに打った手の中で勝率が高い手はどれか?を探すそうです。
囲碁では有効なモンテカルロ法ですが、将棋への適応は難しいようです。なぜなら将棋はデタラメに指しても終局に近づかない(ループして盤面が戻ってしまう)ためです。
並べられることの多い、将棋と囲碁ですが、探索方法一つとっても違いがハッキリ出ていて面白いですなー。
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