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2019年5月15日

ARM SBCリスト

目次: ROCK64/ROCKPro64

最近はたくさんのARMのシングルボードコンピュータ(SBC)が市販されています。嬉しい時代になりました。これからのお買い物の参考としてリストアップしました。値段は変動するので参考です。

NVIDIA Parker
ボードJetson TX2、Denver/2GHz x 2、A57/2GHz x 4、8GB LPDDR4、16nm、$600
NVIDIA Tegra X1
ボードJetson TX1、A57/1.9GHz x 4、4GB LPDDR4、20nm、$500
HiSilicon Kirin 970
ボードHiKey 970、A73/2.36GHz x 4、A53/1.8GHz x 4、6GB LPDDR4-1866、10nm、$299
HiSilicon Kirin 960
ボードHiKey 960、A72 x 4、A53 x 4、3GB LPDDR4、16nm FinFET、$239
MediaTek Helio X20
ボードMediaTek X20、A72/2.1GHz x 2、A53/1.95GHz x 4、A53/1.4GHz x 4、2GB LPDDR3、$199
Rockchip RK3399
ボードNanoPC-T4、A72/2GHz x 2、A53/1.5GHz x 4、4GB LPDDR3-1866、$109
Samsung S5P6818
ボードNanoPC-T3 Plus、A53/1.4GHz x 8、2GB DDR3、$75
Amlogic S912
ボードが見当たらない、A53 x 8、
AllWinner H6
ボードPINE H64、A53 x 4、2GB LPDDR3-1600、$36

少し古い世代のSoCを採用したボード達です。

Amlogic S905
ボードODROID C2、A53/1.5GHz x 4、2GB DDR3、$39
Rockchip RK3328
ボードROCK64、A53/1.4GHz x 4、4GB LPDDR3-1866、$24.95 (1GB) $34.95 (2GB) $44.95 (4GB)
AllWinner H5
ボードNanoPi NEO2、A53/1.5GHz x 4、1GB DDR3、$20
Broadcom BCM2837B
ボードRaspberry Pi 3 Model B、A53/1.2GHz x 4、1GB LPDDR2、28nm、$35

以前(2018年8月12日の日記参照)載せた情報も含んでいます。

編集者:すずき(2023/09/24 12:55)

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2019年5月17日

GCCを調べる - その2 - デバッグ環境

目次: GCC

GCCをデバッグする入り口まで辿り着くのも案外大変だったので、方法を書き残しておこうと思います。

GCCはコンパイラ?

C言語(じゃなくても良いですが)をコンパイルする際に、gcc a.cのようにコマンドを起動します。一般的にgccコマンドをコンパイラと呼びますが、正確にいえばgccはコンパイラドライバ(コンパイラ、アセンブラ、リンカを順に呼び出すプログラム)です。

GCCの場合、コンパイラはcc1という名前で、コンパイラドライバgccとは別のプログラムとして存在します。コンパイラの役目は高級言語(Cなら *.cファイル)からアセンブリ言語(*.sファイル)に変換することです。

DebianのGCC 8.0だと /usr/lib/gcc/x86_64-linux-gnu/8/cc1に置かれています。クロスコンパイラの場合は様々ですが、crostool-NGでRISC-V 64bit Linux向けにビルドした場合(ビルド方法は 2019年2月26日の日記参照)は、~/x-tools/riscv64-unknown-linux-gnu/libexec/gcc/riscv64-unknown-linux-gnu/8.2.0/cc1に置かれます。ローカルビルドしないときは、~/x-toolsをクロスコンパイラをインストールしたディレクトリで読み替えてください。

コンパイラだけ起動したい

デバッガでコンパイラを追うとき、コンパイラドライバ → コンパイラだと余計な処理がたくさん挟まって邪魔なので、コンパイラ単体で起動したくなりますよね?私はなりました。特に気にならない人は読み飛ばしてください。

コンパイラcc1のオプションは、コンパイラドライバgccに渡したオプション以外にも、cc1用のオプションが渡されます。そのためcc1をシェルなどから手打ちで起動するのはちょっと難しいです。

しかし無理してコンパイラcc1のオプションを調べずとも、コンパイラドライバgccが渡すオプションをそのままパクれば良いです。gcc/gcc.cのexecute() 関数を下記のように書き換えると、cc1の起動オプションが表示されます。

コンパイラドライバgccがコンパイラcc1に渡す引数を表示

diff --git a/gcc/gcc.c b/gcc/gcc.c
index a716f708259..e48e5cca79b 100644
--- a/gcc/gcc.c
+++ b/gcc/gcc.c
@@ -3084,6 +3084,12 @@ execute (void)
       const char *errmsg;
       int err;
       const char *string = commands[i].argv[0];
+      int kkk;
+
+      printf("\n------------------------------\n");
+      for (kkk = 0; commands[i].argv[kkk]; kkk++)
+            printf("%s ", commands[i].argv[kkk]);
+      printf("\n------------------------------\n");
 
       errmsg = pex_run (pex,
 			((i + 1 == n_commands ? PEX_LAST : 0)

出力は下記のようになります。この例では、コンパイラはRISC-V 32bitベアメタル向けを使っています。

コンパイラのオプション例
------------------------------
/home/katsuhiro/share/projects/oss/crosstool-builder-new/buildroot/libexec/gcc/riscv32-unknown-elf/8.3.0/cc1 -quiet a.c -quiet -dumpbase a.c -march=rv32gc -mabi=ilp32d -auxbase a -o /tmp/ccdd2F4Z.s
------------------------------

この情報があれば、コマンドラインから単独で起動できますし、GDBで追うこともできます。

GDBでcc1をデバッグ
$ gdb /home/katsuhiro/share/projects/oss/crosstool-builder-new/buildroot/libexec/gcc/riscv32-unknown-elf/8.3.0/cc1

(gdb) b main
Breakpoint 1 at 0x4308a0: main. (2 locations)

(gdb) r a.c -dumpbase a.c -march=rv32gc -mabi=ilp32d -auxbase a -g -O0 -Wall -fdump-tree-all-raw -fdump-rtl-all -o a.s
Starting program: /home/katsuhiro/share/projects/oss/crosstool-builder-new/buildroot/libexec/gcc/riscv32-unknown-elf/8.3.0/cc1 a.c -dumpbase a.c -march=rv32gc -mabi=ilp32d -auxbase a -g -O0 -Wall -fdump-tree-all-raw -fdump-rtl-all -o a.s

Breakpoint 1, main (argc=15, argv=0x7fffffffd3c8)
    at /home/katsuhiro/share/projects/oss/crosstool-builder-new/./gcc/gcc/main.c:36
36        toplev toplev (NULL, /* external_timer */

ブレークポイントなども仕掛けられますし、変数の値を表示することもできます。解析がかなり楽になるはずです……たぶん。

編集者:すずき(2023/09/24 11:46)

コメント一覧

  • hdkさん(2019/05/23 21:07)
    実際に試したわけではないので素朴な疑問なのですが、cc1の引数はgcc -vで出る内容から-vと-versionあたりを外したものとは違うんでしょうか?
  • すずきさん(2019/05/25 10:35)
    試してみたら、同じみたいです。
    わざわざ改造しなくても、-v の方が簡単ですね。
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