目次: C言語とlibc
OSSのlibc実装の一つであるmusl libcのアトミックCAS(Compare And Swap)の実装を調べたメモです。CASはa_cas(p, t, s)関数に実装されていて、ポインタpの指す先の値がtなら、アトミックにsと入れ替える関数です。調べるのはRISC-V用の実装です。
コンパイラが提供するアトミック関数実装(stdatomic.h)は使わないみたいです。musl libc独自の実装となっています。
// musl/arch/riscv64/atomic_arch.h
#define a_cas a_cas
static inline int a_cas(volatile int *p, int t, int s)
{
int old, tmp;
__asm__ __volatile__ (
"\n1: lr.w.aqrl %0, (%2)\n"
" bne %0, %3, 1f\n"
" sc.w.aqrl %1, %4, (%2)\n"
" bnez %1, 1b\n"
"1:"
: "=&r"(old), "=&r"(tmp)
: "r"(p), "r"((long)t), "r"((long)s)
: "memory");
return old;
}
RISC-V向けの実装はLR/SC(Load and Reserve, Store Conditional)という仕組みを使い実装されています。RISC-V以外のアーキテクチャでも良く見かける機能で、見たことある方も多いと思います。LRはLL(Load Link)という名前のこともあるようです。
コードはたった4行です、1行ずついきましょう。
条件付きストアは、予約付きロードから条件付きストア間にpの指す先を誰も変更していない場合のみストアが成功します。pの指す先の値がsに変化します(tmpには0が返されます)。
もし予約付きロードから条件付きストアの間に誰かがpの指す先を変更していた場合はストアが失敗します。pの指す先の値は変化しません(tmpには0以外の値が返されます)。
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