目次: RISC-V
DOOMというFPS(First Person Shooter、一人称視点のシューティングゲーム)があります。1993年にid Softwareが開発したロングセラーシリーズです。オリジナルのid Softwareによる実装も2012年にオープンソースになりました(リポジトリへのリンク)。
日本ではそれほどでもない気がしますが、海外ではDOOMの人気は絶大で海外エンジニアの間ではゲーム機ではない電子機器(プリンタ、カメラ、ATMまで)でDOOMを動作させる改造が非常に人気のようです。
DOOM移植の良いところとしては、3D描画のゲームなので画面が派手で目を引きます。それでいて昔のゲームなので、しょぼいスペックの機器でもそこそこ動きます。操作せずに放っておいてもデモが実行される点も素晴らしいです。
今回はオリジナルのDOOMではなくprboom2(リポジトリへのリンク)というクローン実装を使います。prboom2はLinuxで簡単に動作確認できて楽です。いいですね。
DOOMはゲームエンジンなので実行時にはゲームデータを指定しなければなりません。ゲームデータは*.WADファイル(Where's All Dataの略らしい)に格納されていて、オリジナルDOOMのWADファイルのことをIWAD(Internal WAD)と呼ぶようです。IWADはDOOMの製品版に付属しているはずです、見たことがないから知らないですけど。本来はオリジナルDOOMを購入しDOOM.WADを持ってくるべきですが、手に入れる手段がなさそうです……。
ネット検索するとIWADを公開しているサイトがあるのでどうにかして手に入れてください。Doom Wiki(リンク)にDOOM.WADのMD5 hashが掲載されているので、入手したIWADファイルがどのバージョンか(あるいは壊れていないか)確認しましょう。
今回はIWADファイルはDOOM.WAD、バージョン1.8のもので試します。
まずは普通に動かしてみます。ビルドは簡単でbootstrapとconfigureを実行してmakeするだけです。SDLがインストールされていない環境の場合はlibsdl2-devのインストールが必要かもしれません。
$ cd prboom2 $ ./bootstrap $ ./configure $ make $ ./src/prboom -iwad DOOM.WAD
DOOM同様prboom2もゲームエンジンなので実行時にはゲームデータを指定しなければなりません。ビルド時に勝手に生成されるprboom.wadファイルと、ゲームデータが入ったIWADファイル(オリジナルのDOOM、freedoomなど)の2つが必要です。prboom.wadはカレントディレクトリに置けば勝手に見つけます。IWADファイルはオプション-iwadで指定しましょう。
音声なしで起動したければ-nosound、フルスクリーンではなくウインドウモードが良ければ-nofullscreenオプションが使えます。フルスクリーンとウインドウモードの切り替えはゲーム内のオプションから設定することもできます。
確認だけで終わってしまいました。次回から組み込み環境への移植を始めたいと思います。
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