目次: GCC
最近はRISC-V向けのクロスコンパイラをビルドすることが多かったのですが、昔を思い出してARM向けも作るか〜と気軽にやってみたらハマりました。
最初にトライしたのはarm-unknown-linux-gnueabi(昔の32bit ARM向け、ARM9とか)で、特に問題なくビルドできました。次にトライしたのはaarch64-unknown-linux-gnu(64bit ARM向け、最近のCortexとか)ですが、リンクエラーが発生してcrt1.oやcrti.oが見つからないと言ってきます。
$ aarch64-unknown-linux-gnu-gcc -Wall -O2 -g -static a.c /path/to/aarch64-unknown-linux-gnu/lib/gcc/aarch64-unknown-linux-gnu/12.0.1/../../../../aarch64-unknown-linux-gnu/bin/ld: cannot find crt1.o: No such file or directory /path/to/aarch64-unknown-linux-gnu/lib/gcc/aarch64-unknown-linux-gnu/12.0.1/../../../../aarch64-unknown-linux-gnu/bin/ld: cannot find crti.o: No such file or directory /path/to/aarch64-unknown-linux-gnu/lib/gcc/aarch64-unknown-linux-gnu/12.0.1/../../../../aarch64-unknown-linux-gnu/bin/ld: cannot find -lc: No such file or directory collect2: error: ld returned 1 exit status
最初はglibcのビルドに失敗したのかと思いましたが、crt1.oはsysroot/usr/lib64ディレクトリの下に存在していました。
$ find -name crt1.o ./aarch64-unknown-linux-gnu/sysroot/usr/lib64/crt1.o
ファイルが存在しているのに見つからないのは、GCCが自動的に付与する-Lオプションが間違っている可能性大です。-vオプションでGCCのオプションを調べます。
--sysroot=/path/to/aarch64-unknown-linux-gnu/aarch64-unknown-linux-gnu/sysroot -Bstatic -X -EL -maarch64linux crt1.o crti.o /path/to/aarch64-unknown-linux-gnu/lib/gcc/aarch64-unknown-linux-gnu/12.0.1/crtbeginT.o -L/path/to/aarch64-unknown-linux-gnu/lib/gcc/aarch64-unknown-linux-gnu/12.0.1 -L/path/to/aarch64-unknown-linux-gnu/lib/gcc/aarch64-unknown-linux-gnu/12.0.1/../../../../aarch64-unknown-linux-gnu/lib/../lib64 -L/path/to/aarch64-unknown-linux-gnu/aarch64-unknown-linux-gnu/sysroot/lib/../lib64 ★★相対パスが入っている★★ -L/path/to/aarch64-unknown-linux-gnu/lib/gcc/aarch64-unknown-linux-gnu/12.0.1/../../../../aarch64-unknown-linux-gnu/lib -L/path/to/aarch64-unknown-linux-gnu/aarch64-unknown-linux-gnu/sysroot/lib /tmp/ccQ9tEVu.o --start-group -lgcc -lgcc_eh -lc --end-group /path/to/aarch64-unknown-linux-gnu/lib/gcc/aarch64-unknown-linux-gnu/12.0.1/crtend.o crtn.o
困ったことにsysroot/usr/lib64を指定する-Lオプションがありません。なぜでしょう。
手掛かりになりそうなのは、sysroot/lib64ディレクトリの指定の仕方で、lib/../lib64のように一度libを経由しています。実はsysroot/usr/lib64も同じでsysroot/usr/libを経由している可能性があります。
ディレクトリの構造を調べるとsysroot/libは存在するものの、sysroot/usr/libは存在しませんでした。試しに空のsysroot/usr/libディレクトリを作成し、再度コンパイルするとエラーが解消しました。やったー。エラーだった時と何が違うか知るために-vオプションでGCCのオプションを調べます。
--sysroot=/path/to/aarch64-unknown-linux-gnu/aarch64-unknown-linux-gnu/sysroot -Bstatic -X -EL -maarch64linux /path/to/aarch64-unknown-linux-gnu/aarch64-unknown-linux-gnu/sysroot/usr/lib/../lib64/crt1.o /path/to/aarch64-unknown-linux-gnu/aarch64-unknown-linux-gnu/sysroot/usr/lib/../lib64/crti.o /path/to/aarch64-unknown-linux-gnu/lib/gcc/aarch64-unknown-linux-gnu/12.0.1/crtbeginT.o -L/path/to/aarch64-unknown-linux-gnu/lib/gcc/aarch64-unknown-linux-gnu/12.0.1 -L/path/to/aarch64-unknown-linux-gnu/lib/gcc/aarch64-unknown-linux-gnu/12.0.1/../../../../aarch64-unknown-linux-gnu/lib/../lib64 -L/path/to/aarch64-unknown-linux-gnu/aarch64-unknown-linux-gnu/sysroot/lib/../lib64 -L/path/to/aarch64-unknown-linux-gnu/aarch64-unknown-linux-gnu/sysroot/usr/lib/../lib64 ★★やっぱりlib/../lib64になっている★★ -L/path/to/aarch64-unknown-linux-gnu/lib/gcc/aarch64-unknown-linux-gnu/12.0.1/../../../../aarch64-unknown-linux-gnu/lib -L/path/to/aarch64-unknown-linux-gnu/aarch64-unknown-linux-gnu/sysroot/lib -L/path/to/aarch64-unknown-linux-gnu/aarch64-unknown-linux-gnu/sysroot/usr/lib /tmp/ccLe9HUo.o --start-group -lgcc -lgcc_eh -lc --end-group /path/to/aarch64-unknown-linux-gnu/lib/gcc/aarch64-unknown-linux-gnu/12.0.1/crtend.o /path/to/aarch64-unknown-linux-gnu/aarch64-unknown-linux-gnu/sysroot/usr/lib/../lib64/crtn.o
やはりsysroot/usr/lib64を指定するパスにはsysroot/usr/libが含まれていました。原因は「最終のディレクトリに辿り着く途中のパスが存在しないから」と言えそうです。しかしどうしてGCCが勝手に-Lオプションを消すのかは謎のままで、若干スッキリしません。うーん。
目次: サンタ
去年(2022年12月24日の日記参照)と同様に、飛行機の位置をリアルタイムに表示するFlightradar24というサービス(サイトへのリンク)にてサンタが出現しました。クリスマス・イブの日にサンタが出現するのは毎年恒例のお約束演出です。私が見たときはインド上空を飛んでいました。
2021年のサンタは表示された対地速度は40ktsなのに、サンタの位置から計算した速度はマッハ2 = 1300ktsと変な状態でしたが、2023年と今年は対地速度の表示は727kts(1346.4km/h, マッハ1.1くらい)です。
00:32:10時点の位置(緯度27.15451度、経度76.90161度)
00:33:10時点の位置(緯度26.26621度、経度76.42773度)
去年同様、ある程度の時間をあけ(今回は1分間)でどれくらい進んだか計算します。今回も距離の計算には国土地理院のページを使いました、緯度経度から距離を一発で計算してくれて便利です(サイトへのリンク)。
2地点間の距離は約109.1km、時間差は60秒から計算すると、対地速度は約6,540km/hです。地上でのマッハ5(ただし、サンタが飛んでいる高さ38,000ftsだとマッハ数はもっと高く出る)です。世界最速の飛行機であるロッキードSR-71ブラックバードでさえマッハ3.3といわれているので、サンタさんバチクソ速いですね。
推測ですが24日、25日で北極から世界一周してまた北極へ行くために、緯度、経度は対地速度に関係なく適当に変えているんじゃないか?という気がしてきました。別の時間に測ったら全然違う速度になってませんかね?面倒なので検証しませんけど……。来年の速度も気になります。覚えていたらまた計算してみましょう。
昼頃だったか?Twitterで何かトラブルが起きていたらしくて、初ログインしたときのような画面になっていました。
Twitterの使い始めがどんな画面だったか全く覚えていませんが、たぶんこんな画面なんでしょう。今だと別アカウントを登録しない限り、見る機会がない画面でしょうね。
辞書(家にあるのは新明解国語辞典 第四版)を引いていると、語句の漢字表記に○とか▽のような謎の記号が書いてあります。今までずっと意味がわかっていなかったのですが、三省堂が素敵な解説文をサイトに載せてくれていました。
詳細は解説(第29回 ×とか▽とか、これは何だ? - 【 】見出し(漢字表記)についている○▽× - 三省堂 ことばのコラム)を読んでいただければと思いますが、そのなかに▽は音訓表に載っていない読みのこと、と書いてあります。音訓表とはなんぞ?
検索してみると、文化庁が作成している常用漢字の読み方(文化庁 | 国語施策・日本語教育 | 国語施策情報 | 常用漢字表の音訓索引)のことらしいです。
常用漢字の一覧(文化庁 | 国語施策・日本語教育 | 国語施策情報 | 内閣告示・内閣訓令 | 常用漢字表(平成22年内閣告示第2号))を文化庁が作成しているのは知っていたんですけど、読み方まで一覧にしてくれていたんですね。知らなかったなあ……。
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