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2012年11月8日

たまに音楽を聴くと

だいぶ前にヘッドフォンが壊れて以来、耳かけ式イヤホン(Panasonic RP-HS103)を使っていました。使いやすくて良いのですが、スカスカな音なのが玉に瑕でした。

さすがに携帯性を重視のイヤホンに音質を求めるのは酷ですから、音楽を聴くとき用のヘッドフォンを買うことにしました。

ヘッドフォン

Amazon先生でお手頃価格のヘッドフォンを買いました。夜中に寝ぼけて注文したため、2種類買ってしまいました。まあいいか。

1つ目は普及価格?の5,000円くらいのヘッドフォン(audio-technica ATH-TAD500)で、2つ目は格安価格の2,000円くらいのヘッドフォン(Pioneer SE-M290)です。

この2つ、聴き比べなどと偉そうに言うまでもないくらい全然音質が違います。こんなに違うんですねー。

ATH-TAD500は良く言えば非常に澄んだ音、悪く言えばシャカシャカして疲れる音です。着け心地は、耳が当たって痛い、髪の毛がヘッドフォンのアームに挟まれて痛い…うーん、いまいちだな。

SE-M290は良く言えば柔らかい音、悪く言えばモワモワしてこもった音です。遠くの方で鳴っているような変な感じがします。着け心地は良いです、どこも痛くない。

好み

それぞれ一週間ほど使っていて、あることに気が付きました。

ATH-TAD500はシャカシャカしていて低音が若干足りないので、イコライザで低域をブーストすることが多く、SE-M290はモワモワしているので、イコライザで高音(と低音も少し)をブーストすることが多いです。

どちらも(ヘッドフォンの特性)+(イコライザの設定)=(低域&高域強調)になっています。いわゆるドンシャリですね。

自分の好みに気付くのにだいぶ遠回りした気がしますけれど、今回聴き比べたことで初めて判明したわけですから、これは収穫です。そうに違いない。

ドンシャリと言えば

会社で動作テスト用に使ってるヘッドフォン(SONY MDR-XD050)はドンシャリでしたね…。もしかして悩まずにMDR-XD050買えば良かったのではなかろうか…などと考えると暗くなりますから、やめましょうか。

編集者:すずき(2012/11/09 00:41)

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2012年11月10日

イコライザ

前回の日記(2012年11月8日の日記参照)でイコライザの設定を見ると、自分の好みはいわゆる「ドンシャリ」のようだ。と書きましたが、好み以外の要因も大きいようです。

人間の聴覚が感知する周波数帯は大体20Hz〜18kHz程度で、どの周波数帯も漏れなく認識できますが、感度は一定ではありません。具体的に言えば3〜4kHz付近は敏感に感じ取りますが、1kHz以下の低音や10kHz以上の高音は言ってしまえば「鈍い」です。

つまり20Hz〜18kHzまで物理的に一定の音圧で音を鳴らしても、人間には「低音」「高音」が小さく聞こえてしまうわけです。

ラウドネス

音の大きさには2種類あります。音が持つ圧力の大きさ「音圧」と、人間が感じる音の大きさ「ラウドネス」です。

音圧は絶対値ではなくて、基準値となる圧力との比で表します。単位はデシベルSPL(dB Sound Pressuer Level)です。ちなみに0dB基準値の音圧は2x10^(-5) Pa=20μPaだそうです。

ラウドネスは基準値は1kHzの音圧で感じる音の大きさです。単位はホン(phon)です。周波数ごとに人間が感じる大きさの音は違いますので、1kHzのSin波ならdB SPL=phonとなるはずですが、他の周波数ではdB SPL≠phonとなります。

音圧≠ラウドネスなのは容易に理解できますが、じゃあ、人間に同じ大きさで聞こえる音って何?という疑問が沸きますよね。

そのものずばりをあらわした曲線があります。等ラウドネス曲線と言って、各周波数ごとに、人間が同じ大きさに聞こえる音圧を示した曲線です。Wikipedia(ラウドネス曲線の項)にグラフがあるので、ご参照ください。

人間は真ん中3〜4kHz付近が敏感(つまり低い音圧でも感じる)で、低域、高域は鈍い(高い音圧でないと感じない)ですから、等ラウドネス曲線は基本的に「なべ底型」になります。

等ラウドネス曲線

さらに等ラウドネス曲線をよく見るとなべ底の「深さ」が違うことがわかると思います。大きく感じる音の底は浅く、小さく感じる音の底は深いです。

つまり人間は元々、高域、低域を感じにくいですが、小さい音になるほど高域と低域を「さらに」感じにくくなるということです。

言い換えれば、普段より小さい音で聴くだけで、普段より高域、低域を感じなくなるということです。機材や音源の影響が全くなかったとしても、そうなります。

まとめ

音圧≠ラウドネス
同じ音の大きさ(音圧)でも、人間にとって同じ音の大きさ(ラウドネス)に聴こえるわけではありません。
等ラウドネス曲線はなべ底型
人間は、高い音、低い音が聴こえにくく、3〜4kHzが最もよく聞こえます。
音の大きさとなべ底の深さ
音が小さくなると高い音、低い音はさらに聞こえにくくなります。

つまり、小さめの音量で聴く人のイコライザ設定が、いわゆる「ドンシャリ」になるのは必然です。

もちろん好みの問題もありますから、ラウドネスが全てではありません。そこんとこ勘違いしないでね。

それでは楽しい音楽ライフを!

編集者:すずき(2012/11/11 13:15)

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