目次: ALSA
いつもわからなくなるのでメモしておきます。mplayerにてイコライザーを使う方法です。最近はmpvと呼ぶんですかね?
コマンドはmpvを使いますが、実はイコライザー機能はffmpegの一部であるlibavfilter.soに頼っています(avfilterのドキュメントへのリンク)。この構造は一見しただけではわかりにくく、ヘルプを探すときに非常に難儀しました。設定方法も独特でいつも書き方がわからなくなります。
イコライザーはsuperequalizerという名前です(superequalizerのドキュメントへのリンク)。18バンド指定できます。各バンドがどの周波数帯に対応するかはドキュメントを見てください。
$ mpv --no-video --af=volume=0.8,superequalizer=1.2:1.5:1.5:1.2:1.2:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1:1 a.mp4 Video --vid=1 (*) (h264 480x360 6.000fps) (+) Audio --aid=1 (*) (aac 2ch 44100Hz) AO: [pulse] 44100Hz stereo 2ch float A: 00:00:01 / 00:04:40 (0%) Cache: 278s/9MB
上記の例では、映像を出さない(--no-video)、音割れ防止の為にvolumeで8割くらいに音を下げる、superequalizerの18バンドを全て設定しています。superequalizer=1b=1.2:2b=1.5のようにすると特定のバンドだけ設定変更できます。便利な方を使ってください。
$ mpv --version mpv 0.32.0 Copyright © 2000-2020 mpv/MPlayer/mplayer2 projects built on UNKNOWN ffmpeg library versions: libavutil 56.51.100 libavcodec 58.91.100 libavformat 58.45.100 libswscale 5.7.100 libavfilter 7.85.100 libswresample 3.7.100 ffmpeg version: 4.3.2-0+deb11u2
動作確認に使ったmpvのバージョンも記録しておきます。なぜならffmpegやmpvはたまにインタフェースが激変するので、将来的に同じ方法が通用しなくなる可能性が高いからです。使用しているディストリビューションはDebian Testingです、今はDebian 11相当みたいですね。
なぜかbuilt on UNKNOWNになっていて若干気になりますけど、特に害なさそうだから良いのかな……。
書籍通販のhontoがこんなキャンペーンをやっています。
このキャンペーン画像を見たときの率直な感想としては、どんな人間を想定したら、読書一生分がたった93万円に収まるのか?でした。マンガしか読んでない自分でさえ100万じゃ10年も持ちません。
思い込みで文句を言うのは良くないなと思って、統計データを見ました。総務省統計局 - 読書に関する支出(2018年)によると、1世帯、読書の支出が年間10,628円(電子書籍含まず)です。電子書籍を含む値段で考えたとしても、さほど変わりません。電子書籍を最も購入している30代(世帯主の年齢)でも1,736円で、読書支出は12,000円程度だからです。
世帯の読書支出10,628円x日本人の平均寿命84年 = 892,752円となり、hontoのキャンペーン金額と大体同じくらいになります。あながち間違った数値でもなかった、ということですね。
先程のデータを見ていて何が驚いたって、1世帯で1年間たった1万円しか本を買わないことです。この時点で少ないなと思うんですけど……。1世帯には複数人が生活していますので、1人あたりの支出も計算してみます。
世帯の平均人数はe-Statで調べることができます。平均世帯人員、年次別(平成27年国民生活基礎調査 世帯票 報告書掲載 年次推移 表番号7)を見ると、2015年で1世帯平均2.49人です。
世帯あたり読書の支出は1年10,628円(書籍7,478円、雑誌3,150円)割ることの、日本の平均世帯人数2.49人(減少傾向)ですから、1人あたり1年で4,268円(書籍3,003円、雑誌1,265円)です。さらに少なくなりました。
例えば、週刊少年ジャンプ(定価270円x 50冊 = 13,500円)をもれなく買うだけで3倍以上の支出になります。普段全く本は買わない、くらいじゃないと1年4,268円は厳しいです。世間の生活が想像できません……。
目次: RISC-V
関係の深いまとめリンク。
SiFive社ボードの話、CoreMarkの話のまとめ。
その他の話のまとめ。
目次: Raspberry Pi
Raspberry Pi 3のAudio Outの最後の謎がわかりました。
その6(2021年5月12日の日記参照)にてRaspberry Pi 3の回路図が間違っているのでは?と疑っていましたが、違いました。ケーブルに入っている抵抗のせいでした。
今まで測定に使用していたオーディオケーブルにはプラグ内に抵抗が入っています。そもそもなんでこんなの買ったんだろ……?プラグの見た目からはわかりませんので、テスターで各端子間の抵抗を計測した結果は下記のとおりです。
ミニL | ミニR | ミニG | RCA L | RCA G | RCA R | RCA G | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
ミニL | --- | 294 | 147 | 46.7k | 147 | 46.7k | 147 |
ミニR | --- | 147 | 47.0k | 147 | 46.4k | 147 | |
ミニG | --- | 47.0k | 0 | 47.0k | 0 | ||
RCA L | --- | 47.0k | 94.0k | 47.0k | |||
RCA G | --- | 47.0k | 0 | ||||
RCA R | --- | 47.0k | |||||
RCA G | --- |
測定結果から想定される回路図です。左がミニジャック側、右がRCAプラグ側です。
この結果を踏まえてシミュレーションすると実測値とほぼ一致しました。
Audio Out回路のシミュレーション結果(125Hz矩形波を入力に設定)ケーブルの抵抗を考慮
Audio Out回路の実測値(黄色Audio Out、水色PWM信号125Hz矩形波)
気づいてみれば何とも初歩的なミスでしたが、ケーブルは0Ωと思い込んで見落としました。他人(RasPiの回路図)を疑う前に自分を疑えという良い教訓ですね〜。
目次: RISC-V
買い物メモです。先日(2021年5月28日の日記参照)SiFive HiFive Unmatchedを購入しました。このボードはmicroSDからブートしますが、追加のストレージとしてNVMe SSDが装着できます。
Western DigitalのWDS100T2B0C-ECを購入しました。Amazonで13,000円くらいでした。容量1TB、規格M.2 2280、接続NVMeです。コストパフォーマンス重視のWD Blueシリーズです。
WD BlueシリーズはWD Blackシリーズと比較すると速度で見劣りするものの、そもそもHiFive UnmatchedのCPUはそれほど速くないですしWD Blueで十分でしょう。きっと。
目次: OpenCL
引き続き、独自アクセラレータのテンプレート実装pocl/lib/CL/devices/accelの細かな問題を調べます。次の問題はOpenCLの初期化です。clGetPlatformIDs() から初期化関数pocl_accel_init() に辿り着いたところでabort() が呼ばれクラッシュします。
| GENERAL | accel: accelerator at 0x1000 with 0 builtin kernels Could not open /dev/mem
テンプレート実装の意図としては /dev/memをopen() してメモリマップされたハードウェアのレジスタを読み書きしたいようです。今回は実際のハードウェア相手ではないので、レジスタの読み書きではなく /dev/memの代わりにバイナリファイルを開いてもらうように書き換えます。
// pocl/lib/CL/devices/accel/accel.cc
cl_int pocl_accel_init(unsigned j, cl_device_id dev, const char *parameters) {
...
POCL_MSG_PRINT_INFO("accel: accelerator at 0x%zx with %zu builtin kernels\n",
D->BaseAddress, D->SupportedKernels.size());
int mem_fd = open("/dev/mem", O_RDWR | O_SYNC);
if (mem_fd == -1) {
POCL_ABORT("Could not open /dev/mem\n"); //★★このabortでクラッシュ
}
...
ファイル名を書き換えて突破するとデバイスが持っているメモリのサイズを取得し、メモリマップしようとする部分で怒られます。
| GENERAL | accel: accelerator at 0x1000 with 0 builtin kernels a.out: ../lib/CL/devices/accel/accel.cc:196: void MMAPRegion::Map(size_t, size_t, int): Assertion `Data != MAP_FAILED && "MMAPRegion mapping failed"' failed.
サイズを取得している箇所は下記のとおりです。
// pocl/lib/CL/devices/accel/accel.cc
cl_int pocl_accel_init(unsigned j, cl_device_id dev, const char *parameters) {
...
uint32_t ctrl_size = D->ControlMemory.Read32(ACCEL_INFO_CTRL_SIZE);
uint32_t imem_size = D->ControlMemory.Read32(ACCEL_INFO_IMEM_SIZE);
uint32_t dmem_size = D->ControlMemory.Read32(ACCEL_INFO_DMEM_SIZE);
uint32_t pmem_size = D->ControlMemory.Read32(ACCEL_INFO_PMEM_SIZE);
uint32_t max_region =
std::max(std::max(ctrl_size, imem_size), std::max(dmem_size, pmem_size));
D->InstructionMemory.Map(D->BaseAddress + max_region, imem_size, mem_fd);
...
バイナリファイルを書き換えて何か適当な値が読めるようにしてやりすごすか、面倒ならばD->ControlMemory.Write32(ACCEL_INFO_CTRL_SIZE, 0x2000); のように固定値を書いておくと次に進みます。今は実際のデバイスが相手ではないので、とりあえず先に進めて後で考えましょう。
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