目次: ARM
ROCKPro64のPCIeが動かなくて、しばらく放置(2019年3月16日の日記参照)していたのですが、今日久しぶりに見てみたところ、意外とあっさり直せました。
PCIeが動かなかった理由は単純で、PERST# 信号を全く制御しておらず、PCIeカードのリセットを解除していなかったためでした。それは動かないわ。
不思議なことにlinux-nextではROCKPro64以外のRK3399搭載ボードはPCIeが使えるように対応が入っているのに、ROCKPro64だけハブられています。悲しいので、作ったパッチをLKMLにぶん投げておきました。誰かの役に立てば嬉しいですね。
ちなみにROCKPro64のPCIe PERST# 信号は、こんな経路で来ていました。
RK3399 GPIO2_D4 -> PCIE_PERST_L -> PCIE_PERST_3V3_L -> PERST#
我が家にはPCIeのカードが3つあります。あります、というか、わざわざROCKPro64のPCIe接続テストのために買ったという方が正しいです。
リセットを制御していない場合、基本的にはどのボードも動きません。しかしUSB拡張カードだけはたまに動きます。不思議な挙動です。カードがPERST# を無視しているのか、偶然か、深追いしていないのでわかりません。
PERST# の制御をするように直したところ、USB 3.0カードと、SATAカードはバッチリ認識するようになりました。PCIe - PCIブリッジカードは起動中になぜかROCKPro64にリセットが掛かってしまい、うまくいきませんでした。
ROCKPro64からの給電では足りないのかと疑って、外部からブリッジカードに電源を供給してみましたが、ダメでした。PCでも使えたり使えなかったりする、割と特殊なカードらしいので、ROCKPro64では動かないのかもしれません。
さらに調べるにせよ、何にせよ、また次の機会ですね。
メモ: 技術系の話はFacebookから転記しておくことにした。多少修正。
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今更ですが、メモしていなかった気がするので、Tinker Board(Rockchip RK3288搭載)でHDMI Audioを有効にする方法です。
方法は簡単でLinuxのCONFIG_DRM_DW_HDMI_I2S_AUDIOを有効にすれば良いです。5/3時点のlinux-nextのツリーでは、make defconfigするとこのコンフィグはnで、ビルド対象外になっています。手動で下記の設定を有効にする必要があります。
$ make menuconfig
Device Drivers --->
Graphics support --->
Display Interface Bridges --->
[*] Synopsys Designware I2S Audio interface
設定とビルドがうまく行くと、下記のようにi2s-i2s-hifiというちょっと変わった名前のオーディオデバイスが見えるようになるはずです。
# cat /proc/asound/pcm 00-00: USB Audio : USB Audio : playback 1 : capture 1 00-01: USB Audio : USB Audio #1 : playback 1 : capture 1 00-02: USB Audio : USB Audio #2 : playback 1 01-00: ff890000.i2s-i2s-hifi i2s-hifi-0 : : playback 1
HDMIは画像と音声が一緒に転送されますから、本来は画像側のドライバも合わせて有効にする必要があるはずです。が、画像側のドライバはdefconfigでyないしmになるようで、特殊なカーネルコンフィグを使っている人以外は気にしなくて良いでしょう。
どうして音声系のドライバだけdefconfigからハブられているのか?については謎です。私は画像側のドライバと音声側のドライバ両方ともdefconfigで有効にした方が良いのでは……と思いますが、何か理由があるのでしょう。
CONFIG_DRM_DW_HDMI_I2S_AUDIOはCODEC側なので、CPU側のコンフィグCONFIG_SND_SOC_ROCKCHIP_I2Sも紹介しておきます。とはいえdefconfigで有効になるようなので、これも通常は気にしなくて良いでしょう。
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目次: GCC
引き続き、超基本的なbinutils + GCC + glibcの組み合わせのクロスビルド環境を作っています。やや苦戦したものの、ARM, AArch64, RISC-V 64でビルドが通りました。良かった良かった。
残念ながらRISC-V 32はglibcが対応しておらず、libcなしのベアメタル向けコンパイラしか作れませんでした。glibc does not yet support 32-bit systemsと怒られます。glibcの代わりにnewlibなどを使えば、libcありのLinux向けコンパイラが作れるかもしれませんが、試していないのでわかりません。
昔作ったクロスコンパイラをビルドするMakefile(GitHubへのリンク)を改造して、作りました。
前回(その1)検討した通り、本格的に運用するなら独自のビルドツールよりcrosstool-NGかbuildrootに切り替えた方が良いと思います。
詳細はGitHubを見た方が良いですが、configureに指定しているオプションだけ、ざっと列挙しておきます。
CROSS_ARCH = riscv64-unknown-linux-gnu
TOP_DIR = `pwd`
CROSS_ROOT = $TOP_DIR/buildroot
PREFIX ?= $(CROSS_ROOT)
SYSROOT ?= $(CROSS_ROOT)/$(CROSS_ARCH)/sysroot
まずbinutilsは、
./configure \
--target=$(CROSS_ARCH) \
--prefix=$(CROSS_ROOT) \
--disable-nls \
--disable-static \
--disable-werror \
--with-lib-path=$(CROSS_ROOT)/lib \
--with-sysroot=$(CROSS_ROOT)
次にgccは、
./configure \
--target=$(CROSS_ARCH) \
--prefix=$(PREFIX) \
--enable-languages=c \
--disable-libatomic \
--disable-libitm \
--disable-libgomp \
--disable-libmudflap \
--disable-libquadmath \
--disable-libsanitizer \
--disable-libssp \
--disable-libstdcxx-pch \
--enable-long-long \
--enable-lto \
--disable-multiarch \
--disable-multilib \
--disable-nls \
--disable-plugin \
--disable-shared \
--disable-threads \
--disable-__cxa_atexit \
--without-headers \
--with-local-prefix=$(SYSROOT) \
--with-sysroot=$(SYSROOT) \
--with-newlib
難関のglibcはこんな感じ、
./configure \
--host=$(CROSS_ARCH) \
--prefix=$(SYSROOT)/usr \
--disable-profile \
--disable-multilib \
--enable-add-ons \
--enable-kernel=3.0.0 \
--disable-multi-arch \
--enable-obsolete-rpc \
--with-binutils=$(PREFIX)/bin \
--with-headers=$(SYSROOT)/usr/include \
--with-sysroot=$(SYSROOT)
最後にglibcを動的リンク可能なgccは、
./configure \
--target=$(CROSS_ARCH) \
--prefix=$(PREFIX) \
--enable-languages=c,c++,fortran \
--enable-libatomic \
--disable-libitm \
--enable-libgomp \
--enable-libmudflap \
--enable-libquadmath \
--disable-libsanitizer \
--enable-libssp \
--enable-libstdcxx-pch \
--enable-long-long \
--enable-lto \
--disable-multiarch \
--disable-multilib \
--enable-nls \
--enable-plugin \
--enable-shared \
--enable-threads=posix \
--enable-__cxa_atexit \
--with-local-prefix=$(SYSROOT)/usr \
--with-build-sysroot=$(SYSROOT) \
--with-sysroot=$(SYSROOT) \
--with-native-system-header-dir=/usr/include
この設定が正しいかどうか確証は持てませんが、printfを呼び出すCソースコードをエラーなくビルド可能なコンパイラが作成できるので、良しとします。
色々引っかかったのですが、覚えている限りのエラーと自分が取った対策を列挙しておきます。
エラーメッセージだけ読むとさっぱりですが、config.logに記録されたテストプログラムとテスト結果によれば、pthread.hが見当たらないと言っているようです。
もちろんGCCの前にglibcのクロスビルドに成功しているので、pthread.hは存在しているものの、
これらの原因によって、pthread.hが見えなくなっていたようです。
ツールチェーン構築って大変です。実際に体験すると、crosstool-NGやbuildrootのありがたさが身に沁みます。
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目次: GCC
先日(2019年3月27日の日記参照)クロスビルド向けLLVMのビルド方法がわかったので、今度はクロスビルド向けGCCのツールチェーン(超基本的なbinutils + GCC + glibcの組み合わせ)を作ろうとしていますが、さっぱりうまくいかないです。
そもそもどのバージョンの組み合わせならビルドが通るのか全くわかりません……。対象となるクロス環境(ARM向けなのか、RISC-V向けなのか)と、ホスト側のコンパイラバージョンが影響するようで、昔ビルドが通っていた組み合わせを引っ張り出してきても、今の環境だとビルドが通らないなんてことがおきます。
ビルドできる組み合わせは頑張れば見つけられるとは思いますが、本来やりたいことはクロスビルド用のコンパイラのソースコードリポジトリをダウンロードし、自分でソースコードに何か変更を入れ、変更した内容も含めてビルドすることです(ダウンロードは最悪手動でも良いですけど)。
世の中にはクロスビルド用のツールチェーンを作成できるツールはいくつかありますが、いずれもtarballからのビルドを想定していて、改変を入れて再ビルドする方法が良くわかりません。
ツールが想定しているリリース用のビルドは、
開発用は、リリース用に加え、
が必要ですが、意外とできないです……。
いくつかツールを調べてみました。
ツールチェーン単体だとcrosstool-NGですし、将来的に追加するものを考えるとbuildrootが良さそうですけど。変更を反映して差分ビルドする方法ないのかな……??
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