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2020年9月1日

Zephyr OSで遊ぼう その11 - Zephyr 2.3.0に対応する

目次: Zephyr

Zephyr 2.3.0にバージョンアップしたところ、またHogeボードのビルドが通らなくなりました。

一点目はUARTドライバのCMakeListsです。zephyr_library_sources_if_kconfig() がなくなったため、書き方が変わりました。

CMakeListsの書き方が変わったZephyr本家のコミット
commit 244f826e3c7333bb92fb53a65c50ee5cbd8a2ea0
Author: Carles Cufi <carles.cufi@nordicsemi.no>
Date:   Fri Jul 31 13:52:40 2020 +0200

    cmake: remove _if_kconfig() functions

    This set of functions seem to be there just because of historical
    reasons, stemming from Kbuild. They are non-obvious and prone to errors,
    so remove them in favor of the `_ifdef()` ones with an explicit
    `CONFIG_` condition.

    Script used:

    git grep -l _if_kconfig | xargs sed -E -i
    "s/_if_kconfig\(\s*(\w*)/_ifdef(CONFIG_\U\1\E \1/g"

    Signed-off-by: Carles Cufi <carles.cufi@nordicsemi.no>
CMakeListsの書き方を変更

# drivers/serial/CMakeLists.txt

zephyr_library_sources_if_kconfig(uart_spike.c)

下記に変更

zephyr_library_sources_ifdef(CONFIG_UART_SPIKE uart_spike.c)

二点目は整数型です。Zephyrはu8_t, u16_t, u32_tのような独自の整数型を持っていましたが、C99の型に置き換えられました。drivers/serial/uart_spike.cの実装を書き換える必要があります。

C99の型に置き換えたZephyr本家のコミット
commit a1b77fd589dbe7284c17b029f251426a724abd47
Author: Kumar Gala <kumar.gala@linaro.org>
Date:   Wed May 27 11:26:57 2020 -0500

    zephyr: replace zephyr integer types with C99 types

            git grep -l 'u\(8\|16\|32\|64\)_t' | \
                    xargs sed -i "s/u\(8\|16\|32\|64\)_t/uint\1_t/g"
            git grep -l 's\(8\|16\|32\|64\)_t' | \
                    xargs sed -i "s/s\(8\|16\|32\|64\)_t/int\1_t/g"

    Signed-off-by: Kumar Gala <kumar.gala@linaro.org>

三点目はDT_INST_0_SPIKE_UART_SPIKE_LABELマクロです。こいつは元々、訳のわからない名前で直しようがないので、SiFiveのシリアルドライバの履歴を参考に直します。履歴を見ると2回ほど変わっています。

マクロ名のルールはDT_INST_<INSTANCE>_<COMPAT>_<PROP> だったみたいです。今初めて知りました。やっぱりこの書き方は意味不明と思ったのか、DT_INST_PROP(0, label) という形式になりました。さらに今はDT_INST_LABEL(0) という形式に落ち着いています。

マクロ名の変更を行ったZephyr本家のコミット
★★DT_INST_PROP(0, label) になったコミット

commit 8f84520130a346957ac2e2bdff1d6a51bca13af0
Author: Kumar Gala <kumar.gala@linaro.org>
Date:   Tue Mar 10 17:24:43 2020 -0500

    drivers: serial: uart_sifive: convert to new DT API

    Use the new devicetree.h API instead of the legacy macros.

    Signed-off-by: Kumar Gala <kumar.gala@linaro.org>


★★DT_INST_LABEL(0) になったコミット

commit 74d459fb66b10a5a0614a582fb0375d8b4a78c9e
Author: Kumar Gala <kumar.gala@linaro.org>
Date:   Thu Apr 2 13:13:47 2020 -0500

    drivers: serial: sifive: use DT_INST_LABEL macro

    Replace a few cases that should have been DT_INST_LABEL instead.

    Signed-off-by: Kumar Gala <kumar.gala@linaro.org>

このマクロの罠はそれだけに留まらず、ソースコードの先頭に下記マクロを定義する必要があります。依然として訳がわかりません。ZephyrはDviceTree周りの仕様が不安定です。

ソースコードの先頭に必要なマクロ定義

// zephyr/drivers/serial/uart_spike.c

#define DT_DRV_COMPAT spike_uart_spike

最後はリンカーです。これは元々のコードのコンフィグが間違っていたことに起因します。ROM領域がないのにCONFIG_XIPが有効になっていました。

リンクエラー
$ ninja

...

x-tools/riscv64-zephyr-elf/lib/gcc/riscv64-zephyr-elf/8.3.0/../../../../riscv64-zephyr-elf/bin/ld: invalid origin for memory region ROM
collect2: error: ld returned 1 exit status
ninja: build stopped: subcommand failed.

エラーメッセージからは何が原因か読み取れないですね。こういうときはビルドディレクトリのリンカースクリプト(zephyr/linker.cmd)をうまく行く場合と、うまく行かない場合で見比べます。

リンクエラーが起きないとき(qemu_riscv32)のリンカースクリプト

/* zephyr/build/zephyr/linker.cmd */

 OUTPUT_ARCH("riscv")
 OUTPUT_FORMAT("elf32-littleriscv")
MEMORY
{
    ROM (rx) : ORIGIN = 541065216, LENGTH = 12582912
    RAM (rwx) : ORIGIN = 0x80000000, LENGTH = ((16) << 10)
    IDT_LIST (wx) : ORIGIN = 0xFFFFF7FF, LENGTH = 2K
}
リンクエラーが起きるとき(Hogeボード)のリンカースクリプト

/* zephyr/build/zephyr/linker.cmd */

 OUTPUT_ARCH("riscv")
 OUTPUT_FORMAT("elf32-littleriscv")
MEMORY
{
    ROM (rx) : ORIGIN = ROM_BASE, LENGTH = ROM_SIZE    /* ★★ここがおかしい★★ */
    RAM (rwx) : ORIGIN = 0x80000000, LENGTH = ((32) << 10)
    IDT_LIST (wx) : ORIGIN = 0xFFFFF7FF, LENGTH = 2K
}

このスクリプトは下記のファイルから生成されているようです。HogeボードはROM領域を使う前提ではないので、領域そのものが要りません。ROM領域を葬るにはCONFIG_XIPをnにすれば良さそうです。ファイルはboards/riscv/hoge/hoge_defconfigです。

RISC-Vのリンカースクリプト

// include/arch/riscv/common/linker.ld

MEMORY
{
#ifdef CONFIG_XIP
#if DT_NODE_HAS_COMPAT_STATUS(DT_CHOSEN(zephyr_flash), soc_nv_flash, okay)
#define ROM_BASE DT_REG_ADDR(DT_CHOSEN(zephyr_flash))
#define ROM_SIZE DT_REG_SIZE(DT_CHOSEN(zephyr_flash))
#elif DT_NODE_HAS_COMPAT_STATUS(DT_CHOSEN(zephyr_flash), jedec_spi_nor, okay)
/* For jedec,spi-nor we expect the spi controller to memory map the flash
 * and for that mapping to be the second register property of the spi
 * controller.
 */
#define SPI_CTRL DT_PARENT(DT_CHOSEN(zephyr_flash))
#define ROM_BASE DT_REG_ADDR_BY_IDX(SPI_CTRL, 1)
#define ROM_SIZE DT_REG_SIZE_BY_IDX(SPI_CTRL, 1)
#endif
    ROM (rx)  : ORIGIN = ROM_BASE, LENGTH = ROM_SIZE    /* ★★CONFIG_XIPが無効ならこの行ごと消える★★ */
#endif
    RAM (rwx) : ORIGIN = CONFIG_SRAM_BASE_ADDRESS, LENGTH = KB(CONFIG_SRAM_SIZE)
    /* Used by and documented in include/linker/intlist.ld */
    IDT_LIST  (wx)      : ORIGIN = 0xFFFFF7FF, LENGTH = 2K
}

以上の修正を入れて動かします。

動作確認
$ qemu-system-riscv32 -nographic -machine spike -net none -chardev stdio,id=con,mux=on -serial chardev:con -mon chardev=con,mode=readline -kernel zephyr/zephyr.elf -bios none

*** Booting Zephyr OS build zephyr-v2.3.0-2349-g0769bb760b2a  ***
Hello World! hoge

やっと動きました。良かった良かった。

編集者:すずき(2023/09/24 12:06)

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2020年8月31日

Zephyr OSで遊ぼう その10 - QEMUの変化に対応する

目次: Zephyr

最近のRISC-V向けQEMUでspike, virtを起動すると、下記のようなエラーで怒られてしまいます。

QEMU RISC-Vの起動時に出るエラー
$ qemu-system-riscv32 -nographic -machine spike -net none -chardev stdio,id=con,mux=on -serial chardev:con -mon chardev=con,mode=readline -kernel zephyr/zephyr.elf

qemu-system-riscv32: Unable to load the RISC-V firmware "opensbi-riscv32-spike-fw_jump.elf"

このエラーの原因はQEMU RISC-V向けの仕様変更によるものです。machineがspike, virtのときに、自由にBIOSを選べるように変わりました。ですがZephyrを起動する際には、特にBIOSは必要ないため、noneを指定すればOKです。

QEMU RISC-VをBIOSなしで起動する
$ qemu-system-riscv32 -nographic -machine spike -net none -chardev stdio,id=con,mux=on -serial chardev:con -mon chardev=con,mode=readline -kernel zephyr/zephyr.elf -bios none

*** Booting Zephyr OS build v2.2.0-rc1-123-gcaca3f60b012  ***
Hello World! hoge

ZephyrだけでなくQEMUも日々進化しているのですね。

編集者:すずき(2023/09/24 12:06)

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2020年8月30日

自宅駐車場でのもらい事故

目次:

先週、突然知らない番号から電話が掛かってきました。何だか焦った様子でした。要約すると「アパートの駐車場で隣に駐車している者です、駐車しようとして、あなたの車にぶつけてしまいました」とのことでした。車の様子を確認したところ、見事にバンパーの右前が取れていました。ああー……。


レガシィのバンパーが取れた

後日、保険屋さんと修理屋さん(スーパーオートバックス)から電話があり、車を引き取りに来る日時等を決めました。そして今日、レガシィさんはフロントバンパー修理のため旅立っていきました。

修理屋さん曰く「右ライトもAssy交換で新品になるだろう」とのこと。新品交換後の右ライトに対し、古ぼけた左ライトの明るさがアンバランスになるのはうまくないので、左ライトの研磨もお願いしました。残念ながら左ライトの研磨は保険が効かず自費になりそうですが、曇っていたライトが明るくなるから良しとしましょう。

代車

代車はホンダのフィットでした。


代車のフィット、外観


代車のフィット、インパネ

総じて良い車だと思います。レガシィとの違いとしては、

  • フロントがかなり斜めってる、真上の日差しがダッシュボードを照らし前が見えない
  • アクセルがフニャフニャ、踏んでもあまり速度が変わらない(遊びが大きい??)
  • ブレーキがある点から急激に効いて怖い

昔のフィットに乗ったときアクセルオフ時のエンブレが急すぎて車酔いしたので、正直好きな車ではなかったのですが、今のフィットは素敵な車です。新しい車って確実に良くなってますね。

ADAS(前車の車間検知、車線逸脱の警告)も搭載されていて面白いです。たまに誤検知?するのか、何もないところで突然ピー!と警告音が鳴ったり、車線逸脱の警告とともにハンドルがンゴゴー!って言い出すのはご愛敬です。

編集者:すずき(2023/09/30 14:51)

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2020年8月29日

ROCK64をRaspberry Pi 3のケースに無理やり格納

目次: ROCK64/ROCKPro64

先日KADHAS VIM2, VIM3を購入したため、ARMボードがさらに増え置き場がなくなりました。既存のボードをコンパクトに収納できないかと画策し、目を付けたのがROCK64です。現在ROCK64は純正ケースに入れて使っていますが、ギリシャの神殿を思わせる立派な柱と、無駄にでかいアクリル板のせいで、すっっごい邪魔です。


ROCK64の純正ケース

ROCK64はRaspberry Pi 3とほぼ同じ大きさですから、Raspberry Pi 3のケースを流用できるはずです。

ケース選び

改造のベースになるケースは、TinkerBoardやRaspberry Pi 3の格納で活躍しているPhysical Computing Labの3ple Decker Raspberry Piケース(公式サイトへのリンク)です。

Rasberry Pi 3は電源がUSB micro Bですが、ROCK64はACアダプタなので、全く形が合いません。アクリルケースの穴を削って広げる必要があります。もう一か所、ROCK64の個体差か(or単に設計の問題か?)ヘッドホンジャックがケースとズレていて、プラグが刺さらないため、これも直さないといけません。


電源コネクタ周辺(削る予定の部分を黒く塗っている)


ヘッドホンジャック周辺(削る予定の部分を黒く塗っている)

削り方はリューターにプラスチック用のビットを付けてゴリゴリ削るだけです。厚さも面積も大したことないので、力業でどうにでもなると思います。アクリルを削ると変なにおいがしますね。焦げてるのかな……?


加工後のケース

ケースを削り終わりました。ROCK64の端子がちゃんと外から見えています。

細かい不都合

元よりROCK64用のケースではないので、様々な不都合が発生します。

  • ROCK64の22pinのピンヘッダ(Pi P5+ Bus)がケースで隠れて配線できない
  • ROCK64のPWR, RESETボタンが押せない
  • ボードの固定が甘くなる

Pi P5+ Busが使用不能になる点は諦めました。Rasberry Pi 3にはないピンヘッダなので致し方無しです。このピンヘッダから引き出していたS/PDIFが利用不可能になりました。さよならS/PDIFさん。

PWR, RESETボタンはケースを開ければ押せますが、面倒です。今後はPWRボタンに頼らない運用を考えるべきでしょう。

ボードが固定できない問題はどうにもなりませんでした。microSDの上部を抑えるケース側のツメがうまくハマりません。


ボードを固定するケース側のツメ

もう少しきちんと調べてみると、ROCK64はRasberry Pi 3よりmicroSDスロットに厚みがあるせいで、microSDの上部を抑えるケース側のツメがうまくハマらないようです。


Raspberry Pi 3の場合


ROCK64の場合

スロットの厚さはどうしようもないので、泣く泣くケース側のツメを折りました。

ツメがないので、microSDカードがケースに引っ掛かってギリギリケースに固定されている状態です。ROCK64の40pinのピンヘッダ(Pi-2 Bus)にジャンパケーブルを抜き差しすると、microSDにかなり力が掛かります。これは良くないですね……。

Pi-2 Busへのケーブル抜き差しは結構固いため、そのうちmicroSDスロットが変形するか、microSDが折れて壊れると思います。幸いなことに、今は頻繁にピンヘッダのケーブル抜き差しはしませんから、しばらくこの状態でも使えるでしょう。

編集者:すずき(2020/10/30 01:22)

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2020年8月27日

サーバ向けプロセッサでは最強のIntel

目次: ROCK64/ROCKPro64

TwitterでCavium Thunder X3はサーバ向け汎用ARM SoCではなくなるかもしれない、という話を見かけました。Cavium(今はMarvellに買収されました)は独自ARM CPUコアを作って頑張ってたメーカーです。

ARM自体はまだまだめげることなく、サーバ向けに売りたい(Armのサーバ向け戦略十年の計は実を結ぶか、新プロセッサ「Neoverse」 - MONOist)ようですが、肝心のARM系SoCメーカーやサーバベンダーがARM系サーバで成功している様子がないです。

以前Qualcomm Centriqも鳴り物入りでサーバ向けARM SoCに参入しましたが、2018年にあっさり撤退Arm SoCの開発部門を秘かに閉鎖していたQualcomm - EE Times Japan)しています。モバイルの王者Qualcommをもってしても困難な道のようです。

サーバ向けプロセッサはIntelが9割取っているらしいので、崩すのはなかなか容易ではありませんね……。

ARMメニーコア系SoC

サーバ向けとして発表されているARMメニーコア系SoCを列挙してみました。年代はチップがローンチされたおおよその時期です。間違ってたらごめんなさい。

  • Ampere Altra(2020, ARM Neoverse N1, 80コア, 7nm)
  • Amazon Graviton 2(2020, ARM Neoverse N1, 64コア, 7nm)
  • Huawei Kunpeng 920(2019, Hisilicon TSV110, 64コア, 7nm)
  • Cavium Thunder X2(2018, Broadcom Vulkan, 32コア, 14nm)
  • Amazon Graviton(2018, ARM Cortex-A72, 16コア, 16nm)
  • Qualcomm Centriq(2017, Qualcomm Folker, 48コア, 10nm)
  • Socionext SC2A11(2017, Cortex-A53, 24コア)
  • Cavium Thunder X1(2014, Cavium独自, 48コア)

こんな感じですかね?SC2A11はホームページでサーバ向けと謳っていたので、リストに入れてます。でもCA53コアなので、性能的にはThunder X2辺りと並べるのはちょっと厳しい……かな?

編集者:すずき(2023/09/24 12:54)

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2020年8月24日

ALSAループバックデバイスで簡易リモート再生

目次: ALSA

デスクトップPCにはスピーカーを繋いでいませんが、たまに音声再生を確認したいことがあります。スピーカーを繋ぎ変えても良いですが、ALSAのループバックデバイスを使うと簡単に音声を転送したり、ファイルに記録したりできます。

ループバックデバイスとは再生した音声がそのまま戻ってきて(ループバック)録音できるデバイスのことです。ヘッドフォンの出力端子を、マイクロフォンの入力端子に繋いでループさせた状態を想像してもらうとわかりやすいと思います。

ALSAのループバックデバイス(aloop)は、ALSAの標準的な機能です。普通の環境だとロードされていないはずなので、modprobeでロードします。

ループバックデバイスのインストール
# modprobe snd-aloop

$ cat /proc/asound/pcm

00-03: HDMI 0 : HDMI 0 : playback 1
00-07: HDMI 1 : HDMI 1 : playback 1
00-08: HDMI 2 : HDMI 2 : playback 1
00-09: HDMI 3 : HDMI 3 : playback 1
00-10: HDMI 4 : HDMI 4 : playback 1
01-00: ALC1220 Analog : ALC1220 Analog : playback 1 : capture 1
01-01: ALC1220 Digital : ALC1220 Digital : playback 1
01-02: ALC1220 Alt Analog : ALC1220 Alt Analog : capture 1
02-00: Loopback PCM : Loopback PCM : playback 8 : capture 8    ★このデバイスhw:2を使用する
02-01: Loopback PCM : Loopback PCM : playback 8 : capture 8

ロードし終わるとPCMデバイスが1つ増えます。上記の場合は02-xx(02-00と02-01)が増えています。

ALSAループバックデバイスの使い方

ループバックデバイスはサブデバイス0が再生用、サブデバイス1が録音用となっています。先ほどの例でいうと、再生時はhw:2,0を使い、録音時はhw:2,1を使います。

音声を再生する側
$ aplay test.wav -D hw:2,0

Playing WAVE 'test.wav' : Signed 16 bit Little Endian, Rate 48000 Hz, Stereo
ループバック音声を録音する側
#### ファイルに記録する場合

$ arecord -D hw:2,1 -r 48000 -f S16_LE -c 2 test2.wav

Recording WAVE 'test2.wav' : Signed 16 bit Little Endian, Rate 48000 Hz, Stereo


#### ネットワーク経由で送る場合

$ arecord -D hw:2,1 -r 48000 -f S16_LE -c 2 | nc 192.168.1.10 5555

Recording WAVE 'stdin' : Signed 16 bit Little Endian, Rate 48000 Hz, Stereo

私の家のスピーカーは、今のところROCK64に繋がっています。ROCK64にネットワーク経由で送って、下記のように受け取れば「ほぼ」リアルタイムでデスクトップPCの音声が確認できます。

ネットワーク経由で別端末で受け取る場合
$ nc -l 5555 | aplay -D hw:0

Playing WAVE 'stdin' : Signed 16 bit Little Endian, Rate 48000 Hz, Stereo

受け取る方は先頭のWAVヘッダでサンプリング周波数やチャネル数を知ることができるため、-rや -cを指定する必要はありません。指定しても構いませんが無視されるはずです。

「ほぼ」リアルタイムと書いた理由は、上記の方法だと人間が余裕でわかるくらいの遅延が発生してしまうからです。ちゃんと測っていませんが、0.5秒くらい遅れてるかも?これでも簡易的な音声確認としては十分ですし、気にしなくでも良いでしょう。

編集者:すずき(2023/01/23 14:13)

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2020年8月20日

Android - まとめリンク

目次: Android

一覧が欲しくなったので作りました。

編集者:すずき(2023/09/24 08:49)

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2020年8月19日

Androidのメモリの使い方 - Khadas VIMシリーズ

目次: Android

久しぶりにAndroidが動作するボードを購入したので、メモリの使い方を見てみました。開発用ボードはsuが使えるので、情報が何でも取れて楽で良いですね。

最初はKhadas VIM2 Basicというボードです(Linux 3.14.29 aarch64, Android 7.1.2ベース)。Amlogic S912というSoCです。RAMは2GBです。RAMが3GBのProというボードもあります。

Khadas VIM2 Basicの /proc/meminfo
MemTotal:        1746388 kB
MemFree:          457292 kB
MemAvailable:    1170284 kB
Buffers:            7384 kB
Cached:           676612 kB
SwapCached:            0 kB
Active:           380856 kB
Inactive:         585248 kB
Active(anon):     282472 kB
Inactive(anon):      612 kB
Active(file):      98384 kB
Inactive(file):   584636 kB
Unevictable:         252 kB
Mlocked:             252 kB
SwapTotal:        511996 kB
SwapFree:         511996 kB
Dirty:                76 kB
Writeback:             0 kB
AnonPages:        282492 kB
Mapped:           264172 kB
Shmem:               976 kB
Slab:             150844 kB
SReclaimable:     115568 kB
SUnreclaim:        35276 kB
KernelStack:       15184 kB
PageTables:        20864 kB
NFS_Unstable:          0 kB
Bounce:                0 kB
WritebackTmp:          0 kB
CommitLimit:     1385188 kB
Committed_AS:   45821668 kB
VmallocTotal:    2097088 kB
VmallocUsed:      106876 kB
VmallocChunk:    1805380 kB
TotalCMA:         221184 kB
UsedCMA:            4172 kB
HugePages_Total:       0
HugePages_Free:        0
HugePages_Rsvd:        0
HugePages_Surp:        0
Hugepagesize:       2048 kB
Khadas VIM2 Basicの /proc/pagetypeinfo
Page block order: 9
Pages per block:  512

Free pages count per migrate type at order       0      1      2      3      4      5      6      7      8      9     10   total
Node    0, zone   Normal, type    Unmovable    103     43     23      8      1      0      0      0      1      0      0     617
Node    0, zone   Normal, type  Reclaimable      0      1      1      0      1      2      0      0      1      0      0     342
Node    0, zone   Normal, type      Movable      0      0     95     52     12      5      1      0      1      0    109  113084
Node    0, zone   Normal, type      Reserve      0      0      0      0      0      0      0      0      0      0      0       0
Node    0, zone   Normal, type          CMA      0      0      0      0      0      0      0      0      0      0      0       0
Node    0, zone   Normal, type      Isolate      0      0      0      0      0      0      0      0      0      0      0       0


Number of blocks type     Unmovable  Reclaimable      Movable      Reserve          CMA      Isolate
Node 0, zone   Normal          144           14          690            2          108            0
Khadas VIM2 Basicの /proc/iomem
00000000-04ffffff : System RAM
  01080000-01f5b813 : Kernel code
  020ac000-025a0fff : Kernel data
05300000-072fffff : System RAM
07300000-07307fff : persistent_ram
07308000-0730ffff : persistent_ram
07310000-07317fff : persistent_ram
07318000-0731ffff : persistent_ram
07320000-07327fff : persistent_ram
07328000-0732ffff : persistent_ram
07330000-07337fff : persistent_ram
07338000-0733ffff : persistent_ram
07340000-07347fff : persistent_ram
07348000-0734ffff : persistent_ram
07350000-07357fff : persistent_ram
07358000-0735ffff : persistent_ram
07360000-07367fff : persistent_ram
07368000-0736ffff : persistent_ram
07370000-07377fff : persistent_ram
07378000-0737ffff : persistent_ram
07380000-07387fff : persistent_ram
07388000-0738ffff : persistent_ram
07390000-07397fff : persistent_ram
07398000-0739ffff : persistent_ram
073a0000-073a7fff : persistent_ram
073a8000-073affff : persistent_ram
073b0000-073b7fff : persistent_ram
073b8000-073bffff : persistent_ram
073c0000-073c7fff : persistent_ram
073c8000-073cffff : persistent_ram
073d0000-073d7fff : persistent_ram
073d8000-073dffff : persistent_ram
073e0000-073e7fff : persistent_ram
073e8000-073effff : persistent_ram
073f0000-073f7fff : persistent_ram
073f8000-073fbfff : persistent_ram
073fc000-073fcfff : persistent_ram
073fd000-073fdfff : persistent_ram
07400000-77ffffff : System RAM
c11084c0-c11084d7 : c11084c0.serial
c1108500-c110851f : /i2c@c1108500
c1108680-c11086af : c1108680.saradc
c11087c0-c11087df : /i2c@c11087c0
c1109880-c110988f : /pinmux
c8013000-c80137ff : /mhu@c883c400
c8100014-c810001b : mux
c8100024-c810002b : gpio
c810002c-c810002f : pull
c8100480-c810049f : /rc@c8100580
c81004c0-c81004d7 : c81004c0.serial
c81004e0-c81004f7 : c81004e0.serial
c8100580-c81005c3 : /rc@c8100580
c8832000-c8832013 : /t9015
c8834430-c883446f : gpio
c88344b0-c88344d7 : mux
c88344e8-c88344fb : pull
c8834500-c8834503 : /defendkey
c8834520-c8834533 : pull-enable
c8834540-c8834547 : /ethernet@0xc9410000
c8834558-c8834563 : /ethernet@0xc9410000
c8838000-c88383ff : c8838000.canvas
c883c3d8-c883c3df : c1108680.saradc
c883c400-c883c44b : /mhu@c883c400
c9000000-c9007fff : /dwc3@c9000000
  c9000000-c9007fff : xhci-hcd
c900c100-c90fffff : /dwc3@c9000000
c9410000-c941ffff : /ethernet@0xc9410000
d0078000-d007807f : /usb2phy@d0078000
d0078080-d007809f : /usb3phy@d0078080
d00c0000-d01bffff : d00c0000.t82x

2つ目はKhadas VIM3 Basicというボードです(Linux 4.9.113 armv7l, Android 9ベース)。Amlogic A311DというSoCで、S922XにNPUというAI処理用のIPを搭載した仕様です。S922Xとピンコンパチとのこと。RAMは2GBです。RAMが4GBのProというボードもあります。

Khadas VIM3 Basicの /proc/meminfo
MemTotal:        1925088 kB
MemFree:          643640 kB
MemAvailable:    1091900 kB
Buffers:            9696 kB
Cached:           563448 kB
SwapCached:            0 kB
Active:           405012 kB
Inactive:         434112 kB
Active(anon):     268152 kB
Inactive(anon):      788 kB
Active(file):     136860 kB
Inactive(file):   433324 kB
Unevictable:        2372 kB
Mlocked:            2372 kB
HighTotal:       1179648 kB
HighFree:          36428 kB
LowTotal:         745440 kB
LowFree:          607212 kB
SwapTotal:        262140 kB
SwapFree:         262140 kB
Dirty:                 0 kB
Writeback:             0 kB
AnonPages:        268356 kB
Mapped:           389444 kB
Shmem:              1084 kB
Slab:              58456 kB
SReclaimable:      24384 kB
SUnreclaim:        34072 kB
KernelStack:        8856 kB
PageTables:        22616 kB
NFS_Unstable:          0 kB
Bounce:                0 kB
WritebackTmp:          0 kB
CommitLimit:     1224684 kB
Committed_AS:   29512728 kB
VmallocTotal:     245760 kB
VmallocUsed:           0 kB
VmallocChunk:          0 kB
CmaTotal:         778240 kB
CmaFree:           10972 kB
VmapStack:          4440 kB
Khadas VIM3 Basicの /proc/pagetypeinfo
Page block order: 10
Pages per block:  1024

Free pages count per migrate type at order       0      1      2      3      4      5      6      7      8      9     10
Node    0, zone   Normal, type    Unmovable     39     46     15      4      3      1      1      0      1      1      0
Node    0, zone   Normal, type      Movable    418     81     32      8     11      8      2      1      1      1    144
Node    0, zone   Normal, type  Reclaimable      0      1      1      4      0      1      0      1      1      1      0
Node    0, zone   Normal, type   HighAtomic      0      0      0      0      0      0      0      0      0      0      0
Node    0, zone   Normal, type          CMA      6      0      0      1      0      0      0      0      0      0      0
Node    0, zone   Normal, type      Isolate      0      0      0      0      0      0      0      0      0      0      0
Node    0, zone  HighMem, type    Unmovable    150     76     76     34     17      3     40     10      0      0      0
Node    0, zone  HighMem, type      Movable     90    186     62     26     10      4      1      0      0      0      0
Node    0, zone  HighMem, type  Reclaimable      0      0      0      0      0      0      0      0      0      0      0
Node    0, zone  HighMem, type   HighAtomic      0      0      0      0      0      0      0      0      0      0      0
Node    0, zone  HighMem, type          CMA    864    430    120     63     26      7      0      0      0      0      0
Node    0, zone  HighMem, type      Isolate      0      0      0      0      0      0      0      0      0      0      0

Number of blocks type     Unmovable      Movable  Reclaimable   HighAtomic          CMA      Isolate
Node 0, zone   Normal           17          167            7            0            1            0
Node 0, zone  HighMem           73           26            0            0          189            0
Khadas VIM3 Basicの /proc/iomem
00000000-77ffffff : System RAM
  00108000-015fffff : Kernel code
  01700000-0198cbc3 : Kernel data
ff100000-ff1007ff : galcore register region
ff3f0000-ff3fffff : eth_base
ff500000-ff507fff : /dwc3@ff500000
  ff500000-ff507fff : /dwc3@ff500000
ff50c100-ff5fffff : /dwc3@ff500000
ff630218-ff63021b : /rng
ff632000-ff633fff : /t9015
ff634440-ff63448b : gpio
ff6344e8-ff6344ff : pull
ff634520-ff634537 : pull-enable
ff634540-ff634547 : eth_cfg
ff6346c0-ff6346ff : mux
ff634740-ff63475b : drive-strength
ff638000-ff639fff : ff638000.canvas
ff63c400-ff63c44b : /mhu@c883c400
ff642000-ff643fff : /soc/audiobus@0xff642000
ff64c000-ff64c09f : eth_pll
ff800014-ff80001b : mux
ff80001c-ff800023 : drive-strength
ff800024-ff800037 : gpio
ff802000-ff80201f : /soc/aobus@ff800000/pwm@2000
ff803000-ff803017 : ff803000.serial
ff805000-ff80501f : /soc/aobus@ff800000/i2c@5000
ff808000-ff80801f : /rc@0xff808040
ff808040-ff808083 : /rc@0xff808040
ff809000-ff809047 : /saradc
ffd01008-ffd0100b : eth_reset
ffd19000-ffd1901f : /soc/cbus@ffd00000/pwm@19000
ffd1b000-ffd1b01f : /soc/cbus@ffd00000/pwm@1b000
ffd1c000-ffd1c01f : /soc/cbus@ffd00000/i2c@1c000
ffd22000-ffd22017 : ffd22000.serial
ffd24000-ffd24017 : ffd24000.serial
ffe03000-ffe037ff : /sdio@ffe03000
ffe05000-ffe057ff : /sd@ffe05000
ffe07000-ffe077ff : /emmc@ffe07000
ffe09000-ffe0907f : /usb2phy@ffe09000
ffe09080-ffe0909f : /usb3phy@ffe09080
ffe40000-ffe43fff : ffe40000.bifrost
fffe7000-fffe77ff : /mhu@c883c400
編集者:すずき(2023/09/24 08:50)

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